5月18〜20日:サイバーセキュリティ関連ニュース
AIアプリケーション開発用Pythonパッケージに重大な欠陥 システムやデータが侵害される恐れ(CVE-2024-34359)
ある研究者が、AIアプリケーションの開発者が利用するPythonパッケージに、重大な脆弱性CVE-2024-34359が存在することを確認。その後Checkmarx社が自身のブログ記事で、この脆弱性とその影響について説明した。
CVE-2024-34359(名称は「Llama Drama」)は、主にHTMLを生成するために使われるJinja2と、AIモデルとPythonを統合するために使われるllama_cpp_pythonパッケージに関連している。llama_cpp_pythonはモデルのメタデータを処理するためにJinja2を使うが、このインスタンスに適切なセキュリティ対策がないため、テンプレートインジェクション攻撃が可能になっていたとのこと。攻撃者はこの脆弱性の悪用に成功すると、影響を受けるPythonパッケージ(llama_cpp_pythonの0.2.30以前および0.2.71以降のバージョン)を使うシステム上で任意のコードを実行する恐れがあるという。
攻撃リスクに晒される可能性があるのは、llama_cpp_pythonとJinja2を使っているHugging Face AIコミュニティ上の6,000以上のAIモデル。
なお、同脆弱性はllama_cpp_pythonのバージョン0.2.72で修正されているとのこと。
Turla APT、ヨーロッパの外務省に新たな2つのバックドアを仕掛ける
Security Affairs – May 17, 2024
ESETの研究者が、2つの新しいバックドア「Lunar malware」と「LunarMail」を使ってヨーロッパのある国の外務省を侵害する攻撃を観測。攻撃者はロシアとの関連が指摘されるTurla APTであろうと、中程度の確度で評価した。
これらのバックドアは標的のネットワークを長期的に侵害したり、データを抜き取ったり、侵害されたシステムで制御を維持したりすることを意図している。ESETの調査結果によると、これらのツールは遅くとも2020年から使われており、長い間検出を回避していたとのこと。
今回観測した侵害における初期アクセスはわかっていないものの、スピアフィッシングが行われたり、誤った設定のZabbix(統合システム監視ソフトウェア)が悪用された可能性があるという。
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