親ロシア派グループKillnet、欧州投資銀行(EIB)を標的にしたと主張
親ロシア派ハッカーグループのKillnetは19日、自らのTelegramチャンネルにおいて欧州投資銀行(EIB)のネットワーク間インフラを標的にしたと主張。EIBもその後、同じ日のうちに公式Twitterでサイバー攻撃に遭っていることを認め、Webサイト「eib.org」と「eif.org」の可用性に影響が生じていると述べていた。なお本記事執筆時点で、両サイトへアクセスできない状態はまだ続いている。
We are currently facing a cyber attack which affects the availability of https://t.co/P3qatt3Uz5 and https://t.co/bGl0aO1Gwl. We are responding to the incident.
— European Investment Bank (@EIB) June 19, 2023
EIBへの攻撃はKillnet、Anonymous Sudan、REvilによる大規模攻撃実施宣言と関連?
6月15日、KillnetがAnonymous SudanおよびREvilが協力してヨーロッパのバンキングシステムに対して48時間以内に大規模な攻撃を実施すると宣言したことが、ロシアのメディアTopor Liveによって報じられた。これは、ヨーロッパによるウクライナ支援へ反対するための行動とされた。
また翌日、これら3グループは「Darknet Parliament(ダークネット議会)」での「定期会合」を開いた結果、ヨーロッパの銀行送金システムへの「制裁」を16日から開始することが決定されたと主張した。この「制裁」は「SOLUTION №0191」と呼ばれており、SEPA、IBAN、WIRE、SWIFT、WISEがその標的になるとされた。そして今回のEIBへの攻撃は、Darknet Parliamentによる「制裁」の一部である可能性が高いとみられている。
「Darknet Parliament(ダークネット議会)」というワードがセキュリティ業界で話題に
Killnetらによる16日の「制裁」実施宣言以後、「Darknet Parliament」という言葉は脅威アナリストたちの間でトレンドのキーワードになったという。ソーシャルメディア上ではハッカーグループの集まりが「議会」と表現されていることを面白がる人々もいたが、今回のEIBへの攻撃からも伺えるように、Darknet Parliamentによってもたらされる脅威には現実味が出てきているようだ。
(情報源:Cybernews “European Investment Bank attacked, hackers claiming to “impose sanctions on EU””、Cybernews “Darknet Parliament is now a thing”、FalconFeedsio’s tweet)
6月20日:その他のロシア・ウクライナ関連ニュース
ブリンケン米国務長官、ロシアに技術提供する中国企業への警戒を中国に促す
Yahoo! Finance – Jun 20 2023 08:31
アントニー・ブリンケン米国務長官は19日、中国政府に対し、対ウクライナ戦争で使用され得る技術をロシアに提供している可能性がある民間企業に目を光らせておくよう要請したと発表した。ただし、中国がロシアに殺傷兵器を供与している証拠はないとも述べた。また、「中国はロシアへの殺傷兵器の供与を行っておらず、今後も行わない」という確約を中国側から得たとしている。ブリンケン氏の北京訪問中に、中国と米国は共に激しい対立関係を安定させ、衝突に陥らないようにすることに合意したとされるものの、大きな前進は得られていない。在米中国大使館の劉鵬玉報道官は、ブリンケン氏の発言に対し、「我々は中国企業と外国企業の間の正常な経済・貿易活動に対する不当な禁止・制限に反対する。ウクライナ問題やロシアとの関係を扱う際に、いかなる形であれ、中国の正当な権利と利益を損ねないよう米国側に強く求める」との声明を発表した。
ロシア兵は制裁を受けながらも米国製狙撃弾の安定的な供給を受けている
Daily Caller – Jun 19 2023 23:24
ロシアを西側のサプライチェーンから切り離すことを目的とした多くの制裁にもかかわらず、ロシアの軍需会社が米国製の弾薬を兵士に供給していると、Politicoが報じた。同紙によると、ロシアの2つの企業TetisとPromtekhnologiya(後者はロシア兵が戦場に携帯している狙撃銃Orsis T-5000を製造している)が、Hornadyという米国の企業が製造した388口径弾薬を数十万発入手したことが、税関への提出書類から判明したとのこと。また、米国の弾薬や、欧州連合に本拠を置くサプライヤーやメーカー製の多数の殺傷兵器を販売するロシアのWebサイトが存在していることから、繁栄している闇市場もロシア軍にとって重要な武器供給源となっているのが伺えるという。