Discordのユーザーデータを販売していたサイト「Spy.pet」が運営停止
The Register – Mon 29 Apr 2024
インスタントメッセージングプラットフォーム「Discord」のチャット内容などの情報を収集し、販売していたとされるサイト「Spy.pet」が先週金曜までに運営を停止したという。
Spy.petは2023年11月からDiscordユーザーによってやり取りされるメッセージのスクレイピングを開始。他人をスパイしたい者、AIモデルのトレーニングにDiscordの情報を使いたい者、さらには法執行関連で使いたい者などを顧客として想定し、集めたデータを販売するというサービスを行っていたとされる。その存在や倫理・法的問題などは4月中旬から注目を浴びるようになり、Discord側は当時、Spy.petを調査中であると述べ、利用規約とコミュニティ・ガイドラインに違反する行為があった場合は何らかの措置を講じるとThe Register紙に伝えていた。
※ここまでの流れについて、詳しくは以下の記事で:
その後、この件に関する新たな発展が見られた。Discordは、同プラットフォームの情報をスクレイピングすることやセルフボット行為を行うことが同社の利用規約およびコミュニティガイドラインに反していることを明確にした上で、The Registerに対し、「Spy.pet サイトに関連していると思われるアカウント数件を特定し、その後これらのアカウントを凍結した」とコメント。実際に先週以降、Spy.pet上に記載されている、同サービスがアクセス可能だと主張するDiscordサーバーの件数が減り始め、木曜日にはゼロになったという。そして翌日の金曜日までには、サイト自体がオフラインになったとされている。サイト停止の原因については、Discordの措置によるものなのか、あるいはサイト運営者が雲隠れしようとしているのか、どちらなのかは不明。
ただ、Spy.petの管理者のものとされるTelegramのプロフィールページには、「サイトは先週金曜に停止されたが、ドメインをバックアップさせるプランがある」旨が記されているとされる。なお、現時点ではまだ同サイトは復旧していないものとみられる。