5月21日:サイバーセキュリティ関連ニュース
Slack、顧客データをAIモデルのトレーニング目的でスクレイピング ユーザーが反発
ビジネス用メッセージングアプリのSlackが、新しいAI/MLモデルの開発を目的にメッセージやコンテンツ、ファイルを含む顧客データをスクレイピングしていることが明らかになった。この機能はデフォルトでオプトインになっており、プライバシー保護の観点からユーザーの反発を招いているという。
Slackはこの件について釈明し、アプリがメッセージやファイルのコンテンツ自体に直接アクセスすることはないと主張。ワークスペース間でデータが漏洩することはないと説明している。また、同社Webサイトのページ「プライバシーに対する基本理念 : 検索、学習、AI(人工知能)」には、OrGやワークスペースのオーナー、あるいはプライマリオーナーから同社カスタマーエクスペリエンスチーム(feedback@slack.com)宛に申請することでオプトアウトできるとの記載があるが、この一文がソーシャルメディア上で論争を引き起こすことになった。
SecurityWeekの聞き取り調査に応じた複数組織のセキュリティ責任者らは、大手テクノロジーベンダーと同様、Slackがこうしたデータを分析し、AI/MLモデルをトレーニングしていることに驚きはないと話しているが、やはりオプトアウトする負担を顧客が負うべきではないと不満を漏らしている。
違法薬物を取引する闇市場Incognito Maket運営者がニューヨークで逮捕される
BleepingComputer – May 20, 2024
ダークウェブ上で違法薬物を取引する闇市場「Incognito Market」のオーナー兼運営者とされる容疑者が18日、米ニューヨーク州のジョン・F・ケネディ国際空港で逮捕された。
このマーケットは今年3月、法執行機関によって閉鎖されているが、2020年10月にその存在が知られて以来、総額で1億ドル以上に相当する違法薬物を販売していた。運営のすべてを監督していたとされるのが23歳のRui-Siang Lin容疑者で、起訴状によるとベンダー(麻薬販売者)のアカウント数は1,000件以上、顧客(購入者)アカウントは20万件を超えるという。
同容疑者は3月にこの市場を突然閉鎖した際、ベンダーや顧客に資金を返却することを拒んだ上、追加料金を支払わなければすべての取引履歴を公開すると脅迫していた。有罪となった場合、継続的な犯罪事業を行ったとして最低でも終身刑が科せられる可能性があり、さらに麻薬取引の共謀やマネーロンダリング、違法および不正薬物の販売を共謀した罪なども問われることになる。