5月24~27日: サイバーセキュリティ関連ニュース
スパイウェアアプリ「pcTattletale」がハッキングに遭い、Webサイトの内容が改ざんされる
米国製の消費者向けスパイウェアアプリ「pcTattletale」がハッキングされ、この侵害の犯行声明を出した攻撃者が内部データを公式Webサイト上に公開したと発表した。
このハッカーは24日夜、pcTattletaleのWebサイトにメッセージを投稿し、同アプリを運営するサーバーを侵害したと主張した。公式Webサイトには一時、サーバーからのファイルを含むリンクが記載されており、その中に一部の被害者の盗まれたデータが含まれていたという。侵害の具体的な動機は明らかにされていない。
pcTattletaleはリモートアクセスアプリの一種で、相手に気づかれることなく、また同意もなく人物の追跡に使えるために「ストーカーウェア」と呼ばれることもある。先週初めには、米Wyndham Hotelのチェックイン用コンピューターにこのアプリが仕掛けられ、宿泊客情報を含むスクリーンショットが流出していたことが明らかになっていた。TechCrunchが継続中の調査によると、スパイウェア/ストーカーウェア開発企業がハッキングされたり、被害者の個人情報が流出したりする事例が近年だけで少なくとも10数件観測されている。
バイデン大統領装うディープフェイクロボコールの首謀者が重罪で起訴、罰金額は600万ドル
米国人政治コンサルタントが同国大統領を装ったディープフェイクのロボコールを首謀した容疑を認め、有権者抑圧の重罪と候補者になりすました軽犯罪で起訴された。
米ニューオーリンズ在住のSteven Kramer被告は、ジョー・バイデン大統領の音声クローンを作成するために150ドルを支払ったことを認め、連邦通信委員会(FCC)から600万ドルの罰金を科されることになった。同被告は今年2月、ニューハンプシャー州の民主党予備選で投票しないよう有権者に呼びかける内容のスクリプトを自ら用意し、ある手品師に報酬を支払ってAI生成のクローン音声を作成。さらにテレマーケティング会社を使い、5,000人を超す有権者への電話でこれを再生させたと供述していた。
この電話は政治委員会の会計責任者からのものとされ、前述の予備選の投票率を下げることが主な目的だったという。Kramer被告はバイデン大統領の対立候補が当選する確率を高めるため、現大統領の支持者が投票所に行かないことを望んでいたようだ。またFCCは、この通話を送信したLingo Telecom社にも200万ドルの罰金刑を要求。これらが確定した場合、ディープフェイクロボコールに関して米国では初めての執行措置となる。