Windowsサーバーの「WinReg」に対する新たなNTLMリレー攻撃、PoCエクスプロイトが公開される(CVE-2024-43532)
BleepingComputer – October 22, 2024
マイクロソフトのリモートレジストリクライアントにおける脆弱性のPoCエクスプロイトコードが公開された。この欠陥を悪用すると、認証プロセスのセキュリティを低下させることでWindowsドメインの制御が可能になるという。
CVE-2024-43532として追跡されているこの脆弱性は、SMBトランスポートが存在しない場合に利用されるWindowsレジストリ(WinReg)クライアントのフォールバックメカニズムに関連するもの。具体的には、同クライアントによるRPC認証の処理方法における問題に起因する。SMBトランスポートが利用不能な場合のフォールバックシナリオにおいて、このクライアントはTCP/IPなどの古いトランスポートプロトコルへ移行し、弱い認証レベルを用いるようになる。これにより、接続の真正性または完全性が検証されなくなるという。攻撃者はこの問題を悪用することで、NTLM認証をActive Directory証明書サービス(ADCS)にリレーし、さらなるドメイン認証に使うユーザー証明書を取得できるようになる。影響を受けるのはWindows Server 2008〜2012の全バージョンに加え、Windows 10および11と発表された。
この欠陥はAkamaiの研究者Stiv Kupchik氏が発見し、今年の2月1日にマイクロソフトへ開示していたものの、同社は「ドキュメントの問題」として4月25日にこれを却下。Kupchik氏が改良を加えたPoCに説明を添えて6月中旬にレポートを再提出すると、マイクロソフトは7月8日にこの脆弱性を確認し、その3か月後に修正プログラムをリリースした。PoCはAkamaiのGitHubページで公開されているほか、同社のブログ記事では脆弱性や悪用プロセスの詳細が解説されている。
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