ZIPファイルの連結手法がマルウェアの検出回避に使われるように
BleepingComputer – November 10, 2024
有害なペイロードをセキュリティソリューションに検知されることなくターゲットのWindowsマシンへ送り込む手段として、複数のZIPファイルを連結する手法が用いられるようになっているという。実際のフィッシング攻撃の中でトロイの木馬を仕込んだ連結ZIPアーカイブが使われているのを発見したPerception Point社が、詳細を報告した。
この手法は、2つかそれ以上の別のZIPファイルを用意し、そのうちの1つに有害なペイロードを隠したのち、これらを繋ぎ合わせて1つのファイルへと結合するというもの。このようなファイルを扱う際、使用するZIPパーサーによっては無害なコンテンツしか表示しないため、有害なペイロードの存在を認識できない恐れがあるという。
Perception Pointは以下3つのパーサーでテストしたところ、次のような結果になったと伝えている。なお同社は2つのファイルを用意して結合してサンプルファイルを作成。1つ目は無害なテキストファイルを含むものとの想定で、2つ目のファイルは有害なテキストファイルを含むとの想定でテストを実施している。
- 7zip:1つ目の無害なファイルのみを表示。その他のデータも含まれることを警告するメッセージが生成される場合もあるが、こうしたメッセージは見過ごされる恐れがある。
- WinRAR:有害なテキストファイルを含む2つ目のファイルを表示。
- Windows File Explorer:「ファイルを開くことができない」旨を伝えるエラーが表示された。あるいは、ZIPファイルをRARファイルのように見せかける目的でファイル名の末尾が「.zip」から「.rar」に変更されている場合は、2つ目の有害なファイルのコンテンツが表示されることになる。
脅威アクターは各パーサーの挙動に応じてマルウェアをどのファイルに隠すか変更するなど、微調整を行う恐れがあるという。連結させたZIPアーカイブを用いたこの種の攻撃への防御策としては、再帰的解凍に対応したセキュリティソリューションを使用することが推奨されている。
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