Fragランサムウェア:Veeamの脆弱性悪用する新たな脅威(CVE-2024-40711)
Securityonline[.]info – November 10, 2024
Veeam Backup & Replication(VBR)の脆弱性CVE-2024-40711を悪用して新たなランサムウェア「Frag」の配布を目指す攻撃について、Sophos X-Opsの研究者が報告。この攻撃は、過去にAkiraやFogランサムウェアを展開していた脅威グループ「STAC 5881」によって実施されたものとみられている。
研究者によると、STAC 5881のこれまでの攻撃は、侵害されたVPNアプライアンス経由で初期アクセスを達成し、CVE-2024-40711の悪用によって新たなローカル管理者アカウント「point」を作成し、AkiraまたはFogの展開を試みるというもの。しかし最近観測されたある事例では、これらのランサムウェアの代わりに、これまで文書化されていなかった「Frag」というランサムウェアの展開が観測されたという。
この攻撃においても、侵害されたVPNアプライアンスとVeeamの脆弱性を悪用する点は過去のものと同様。しかし、「point」というアカウントに加え、今回は「point2」というアカウントも新たに作成されたという。Fragはコマンドライン上で実行され、攻撃者はファイル暗号化のパーセンテージを指定することができるという特徴がある。Sophosが観測した事例ではエンドポイント保護ソリューションによってFragの阻止に成功しているものの、ファイルが暗号化された場合、ファイル名の末尾には「.frag」という拡張子が付けられる。
このように、Fragの展開を目論むアクターのTTPはAkiraやFogを用いるアクターのTTPと似た面がみられるが、この類似点はAgger Labsによっても観測されているとのこと。
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