マイクロソフト、11月の月例パッチで悪用されるゼロデイ2件などに対処(CVE-2024-43451、CVE-2024-49039)
Help Net Security – November 12, 2024
マイクロソフトが2024年11月の月例セキュリティ更新プログラムをリリースし、89件の脆弱性を修正。このうちCVE-2024-43451およびCVE-2024-49039のゼロデイ2件は、攻撃者による悪用が観測されているという。
CVE-2024-43451:NTLMハッシュスプーフィングの脆弱性
ユーザーのNTLMv2ハッシュが攻撃者に開示される恐れのある脆弱性。このハッシュを手に入れた攻撃者は、パス・ザ・ハッシュの手法を使って当該ユーザーとしてシステムの認証を通過することができるようになる。この脆弱性を悪用するにはユーザー操作が必要だが、攻撃者の用意した有害なファイルをクリックまたは右クリックさせるなど、最低限の操作さえさせれば脆弱性をトリガーすることができるという。CVSS 3.1のスコアは6.5、マイクロソフトによる深刻度評価は「Important(重要)」。
CVE-2024-49039:Windowsタスクスケジューラにおける権限昇格の脆弱性
認証済みの攻撃者が特別に細工したアプリケーションの実行によりこの脆弱性を悪用すると、整合性レベルMediumまで権限を昇格される恐れがあるというもの。権限の低いAppContainerから攻撃が行われた場合は、AppContainerのエスケープを可能にする。悪用を成功させた攻撃者は、通常であれば特権アカウントのみに制限されているRPC機能を実行できるようになるとされている。
同脆弱性についても悪用の詳細は現時点で不明であるものの、発見者としてGoogleの脅威分析グループ(Threat Analysis Group/TAG)がクレジットされており、同グループのこれまでの活動実績を踏まえると、APTや国家の支援を受けるアクターなどがこのゼロデイの悪用に関与している可能性が考えられるという。CVSS 3.1のスコアは8.8、マイクロソフトによる深刻度評価は「Important(重要)」。
その他の注目に値する脆弱性
- CVE-2024-43639:Windows Kerberosにおけるリモートコード実行の脆弱性。CVSS 3.1のスコアは9.8、マイクロソフトによる深刻度評価は「Critical(緊急)」。
- CVE-2024-5535:2024年6月に開示されたOpenSSLにおける脆弱性が、Microsoft Defender for Endpoint向けに修正されている。CVSS 3.1のスコアは9.1、マイクロソフトによる深刻度評価は「Important(重要)」。
- CVE-2024-49019:Active Directory 証明書サービス(AD CS)における権限昇格の脆弱性。CVSS 3.1のスコアは7.8、マイクロソフトによる深刻度評価は「Important(重要)」。
- CVE-2024-49040:Microsoft Exchange Serverにおけるスプーフィングの脆弱性。CVSS 3.1のスコアは7.5、マイクロソフトによる深刻度評価は「Important(重要)」。PoCエクスプロイトが既に出回っているとされる。
- CVE-2024-43498:.NETとVisual Studioにおけるリモートコード実行の脆弱性。CVSS 3.1のスコアは9.8、マイクロソフトによる深刻度評価は「Critical(緊急)」。
- CVE-2024 43602:Azure CycleCloudにおけるリモートコード実行の脆弱性。CVSS 3.1のスコアは9.8、マイクロソフトによる深刻度評価は「Important(重要)」。
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- ステークホルダーの特定・分析
- ユースケースの確立
- 要件の定義と管理
- データの収集と処理
- 分析と生産
- 報告
- フィードバック
- 実効性の評価