11月の月例パッチで修正されたWindowsのゼロデイ、ウクライナへの攻撃で悪用される:CVE-2024-43451
BleepingComputer – November 13, 2024
2024年11月の月例セキュリティ更新プログラムでマイクロソフトが修正したWindowsのゼロデイ脆弱性CVE-2024-43451は、ウクライナのターゲットを狙う進行中の攻撃でおそらくロシアのアクターによって悪用されているという。今年6月にこのキャンペーンを観測したClearSkyが報告した。
CVE-2024-43451は、サポート対象のWindowsの全バージョンに影響を与えるNTLMハッシュ開示スプーフィングの脆弱性。これを悪用することで、攻撃者は自身が制御するリモートのサーバーへ強制的にログイン済みユーザーを接続させ、当該ユーザーのNTLMv2ハッシュを盗み取れるようになるとされる。前述の通り11月12日リリースの月例パッチで修正されており、マイクロソフトもアドバイザリの中で悪用について認めていた。
翌13日には、ClearSkyが同ゼロデイの悪用についてのブログ記事を更新。これによると、同社が6月に観測した実際の攻撃ではまず、6月より前にすでに侵害されていたウクライナ政府のサーバー(osvita-kp.gov[.]ua)からフィッシングメールが送信されていた。このメールは受信者に対して学歴証明書の更新を促す内容で、悪意あるURLファイルが含まれている。受信者がこのファイルを右クリックするか、削除するか、または移動させることによりCVE-2024-43451がトリガーされ、攻撃者のサーバーとの接続が確立されてしまうという。加えて、SparkRATマルウェアなどのさらなる有害ファイルのダウンロードも行われることになる。
ClearSkyの研究者らはさらに、SMBプロトコル経由でNTLMハッシュを盗み出そうとする試みが観測されたことについても伝えている。これらのパスワードハッシュはパス・ザ・ハッシュ攻撃で使われる可能性があるほか、平文のパスワードを得るためにクラッキングされる恐れがあるという。
ウクライナのコンピューター機器対応チーム(CERT-UA)はClearSkyから共有された情報を踏まえ、ロシアの脅威グループとされるUAC-0194のメンバーがこの攻撃の実施者であろうとの評価を下している。
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