DNA検査会社が機微性の高い顧客の遺伝子データを持ち逃げか
ロンドンを拠点とする遺伝子検査会社アトラスバイオメッドが何の前触れもなく姿を消し、DNA検査業界をめぐる不安に拍車かけている。
英BBCの報道によると、生物学的サンプルから抽出された顧客の機微データが「宙に浮いた状態になっている」とのこと。同社Webサイトも閉鎖されているため、顧客は自身のアカウントにアクセスしたり、レポートを取得したりすることができなくなっている。会社自体がすでに消滅したとみられているが、財務諸表を確認したところ、現時点で支払いの遅延が発生しているものの、英国の会社登記所Companies Houseでは今も活動中の扱いになっているという。
ロシアとの関連が指摘される同社は、顧客の電話番号やEメール、住所、クッキー、Webサイトの使用状況、健康およびライフスタイルに関する情報、生体サンプルなど膨大な機微データを収集したほか、遺伝子データと解析結果も取得していたようだ。DNA検査は遺伝子疾患の有無を調べる最も安価な方法としても注目を集めてきたが、データ侵害や買収などを理由にセキュリティに関する懸念が高まっていた。
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