SolanaのWeb3.jsライブラリがサプライチェーン攻撃の標的に 有害コード注入される
Securityonline[.]info – December 3, 2024
広く使用されるJavaScriptライブラリ「@solana/web3.js」を狙った巧妙なサプライチェーン攻撃について、Datadogの研究者Christophe Tafani-Dereeper氏が報告。暗号資産の窃取を企む攻撃者によって、このライブラリの複数バージョンに有害なコードが注入されていたという。
@solana/web3.jsは、npmレジストリからの週間ダウンロード回数が35万回を超える人気のJavaScriptライブラリ。このライブラリのバージョン1.95.6および1.95.7に、開発者やユーザーから秘密鍵を抜き取るために作成された難読化済みの有害コードが見つかったという。抜き出された秘密鍵は、ハードコードされたSolanaアドレス「FnvLGtucz4E1ppJHRTev6Qv4X7g8Pw6WPStHCcbAKbfx」へと転送される仕組み。また攻撃をさらに発見しづらいものにするため、一見無害なCloudFlareヘッダも使用されていた。上記バージョンを自身のプロジェクトで使用した開発者や、侵害されたライブラリを使用するアプリケーションを操作したユーザーは、秘密鍵流出のリスクおよびそれに伴う金銭的損失を被るリスクに晒される。
調査はまだ続いているものの、すでにわかっている調査結果からは、この攻撃がおそらくWeb3.jsの公式オープンソースライブラリのメンテナらを狙ったソーシャルエンジニアリングかフィッシングキャンペーンによって始まったであろうことが示唆されているという。npmはその後すぐに侵害されたバージョンのライブラリを削除しているが、今回のインシデントにより、ソフトウェアサプライチェーンに潜むリスクや、警戒体制を常に保ち、強固なセキュリティ慣習を維持することの重要性が改めて浮き彫りになっている。
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