12月12日:サイバーセキュリティ関連ニュース
新たに見つかった中国産スパイウェアEagleMsgSpy、中国の警察などが2017年から使用か
The Hacker News – Dec 11, 2024
中国の警察に利用されている疑いのある新たなAndroid向けスパイウェア「EagleMsgSpy」を、Lookoutの研究者らが発見。このツールは遅くとも2017年から運用されているものとみられ、モバイルデバイスから広範な情報を収集する性能を持つという。
EagleMsgSpyの開発元と考えられているのは、Wuhan Chinasoft Token Information Technology Co., Ltd.(武汉中软通证信息技术有限公司)という中国企業。この企業はWuhan Zhongruan Tongzheng Information Technology Co., Ltd.やWuhan ZRTZ Information Technology Co, Ltd.といった名称でも知られる。開発者の説明によれば、EagleMsgSpyは「包括的な司法向け携帯電話監視製品」で、容疑者の携帯電話情報を本人に気づかれずにネットワーク制御を通じてリアルタイムで取得することが可能だという。また、「犯罪者の携帯電話のすべての活動を監視し、それらを要約することができる」とも謳われている。
Lookoutの研究者によれば、同スパイウェアは法執行関係者などにより手動でターゲットのデバイスへインストールされるものと思われるという。その後、同ツールは携帯電話からサードパーティのチャットメッセージ(QQ、Telegram、WhatsAppなど)やスクリーン録画、スクリーンショット、録音音声、通話ログ、連絡先情報、SMSメッセージ、位置情報、ネットワークアクティビティなど、広範な情報を収集するとされる。今回Lookoutが調査したのはAndroid版だったが、iOS版の存在を示唆する手がかりも見つかっているとのこと。
WordPressプラグインHunk Companionに重大な脆弱性、別の脆弱なプラグインをインストールするために悪用される(CVE-2024-11972、CVE-2024-50498)
BleepingComputer – December 11, 2024
WordPressプラグイン「Hunk Companion」の重大な脆弱性CVE-2024-11972をハッカーらが悪用し、別の脆弱なプラグインをインストールしているという。WPScanがこのゼロデイを発見し、悪用事例について報告した。
CVE-2024-11972は、認証されていないPOSTリクエストによってWordPress.orgのリポジトリから直接任意のプラグインをインストールすることを可能にする脆弱性。ハッカーは、既知の脆弱性を有する古いプラグインをターゲットとなるWordPressサイトへインストールすることで、RCEやSQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングといった脆弱性を悪用したり、管理者アカウントへ継続的にアクセスするためのバックドアを設置したりできるようになるという。
WPScanが観測した事例では、攻撃者はCVE-2024-11972の悪用により脆弱なバージョンのプラグイン「WP Query Console」をインストールしていた。最後にアップデートされたのが7年以上も前だというこのプラグインには、RCEのゼロデイ脆弱性であるCVE-2024-50498が存在。攻撃者はこれを利用して標的サイトのルートディレクトリにPHPドロッパーを書き込んでいたという。このドロッパーによりGETリクエストを通じた継続的な認証なしでのアップロードが可能となり、結果としてサイトへの永続的なバックドアアクセスが確立されたとWPScanは説明している。
CVE-2024-11972は、Hunk Companionのバージョン1.9.0で修正されているが、本記事執筆時点での最新版ダウンロード数はおよそ1,800回程度。Hunk Companionのユーザー数は1万強ほどのため、未だ脆弱なサイトが8,000近く存在する計算になる。今回現在進行形で悪用されていることが発覚したことを踏まえると、ユーザーには可及的速やかな対応が推奨される。
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- 脅威プロファイルの確立
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- ユースケースの確立
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- データの収集と処理
- 分析と生産
- 報告
- フィードバック
- 実効性の評価