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メタがコンテンツモデレーションの規定を緩和、ファクトチェックプログラムも廃止へ

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2025.01.08

1月8日:サイバーセキュリティ関連ニュース

メタがコンテンツモデレーションの規定を緩和、ファクトチェックプログラムも廃止へ

TechCrunch – January 7, 2025

Facebook、Instagram、WhatsAppなど人気ソーシャルメディアプラットフォームを運営するメタが7日、コンテンツモデレーションに関する規定の大幅な見直しを発表した。

同社は政治や健康といった分野で誤情報の拡散を助長しているとの批判に応え、数年前からコンテンツモデレーションに力を入れてきたものの、そのガードレールの一部を撤廃する判断を下した。今回の方針転換により、2016年に立ち上げたサードパーティによるファクトチェックプログラムは廃止され、すでにXなどで導入されているコミュニティノートモデルへ数か月以内に移行することが明らかになっている。

ただし、多くの制限が解除されるのは「頻繁に議論の対象となるトピック」で、テロや児童性的搾取、麻薬、詐欺といった分野での「違法かつ重大な違反」には重点的に対処すると説明された。また、政治的コンテンツについては「パーソナライズされた」アプローチを採ることが推奨されるため、ユーザーの嗜好や意見に沿ったコンテンツがかなり多く表示されるようになる見込みだ。言い換えれば、エコーチェンバーの促進を許す方向へ舵が切られつつあるということになる。

コンテンツモデレーションを理由にFacebookから締め出されたドナルド・トランプ次期大統領の第2期政権が間もなく発足するだけに、このタイミングでの規定変更は大きな意味を持つと同時に、新たな権力者の顔色をうかがっているなどさまざまな憶測も呼んでいる。しかし、その一部は時間をかけて用意されていたようで、説明責任が政治の潮流と共に変化する中、メタとしてもこれまで以上に干渉しないアプローチを選択したい意向があるようだ。

メタ、ダナ・ホワイト氏の役員就任を批判する社員のコメントを削除

404 Media – Jan 7, 2025

メタ社は「表現の自由」を重視するためなどとしてコンテンツモデレーションの緩和やファクトチェックプログラムの廃止を発表する一方で、同社の役員人事を批判する社内からの声はかき消そうとしているものとみられるという。

メタCEOのザッカーバーグ氏は月曜、社員向けのプラットフォーム「Workplace」への投稿の中で、同社のボードメンバーにUFCのダナ・ホワイト氏ほか2名が加わると発表。これに関する社員からの反応はさまざまで、ポジティブなコメントを投稿するものもいればジョーク混じりの返答も見受けられた。

しかし、ホワイト氏には家庭内暴力に関する疑惑があり、ナイトクラブで妻を平手打ちする映像が出回っている。このためメタ社従業員からは、ホワイト氏の新取締役就任を批判するようなコメントも複数投稿されたが、これらの投稿はメタ社の「インターナル・コミュニティ・リレーションズチーム」によって、社内ルールである「CEE(Community Engagement Expectations)」へ違反しているとして削除されたという。削除されたコメントの中には、「メタ社はホワイト氏に関するデューデリジェンスを実施したはずで、それを踏まえて彼には何の問題もないと結論づけたということになる。ちょっと別の惑星にでもいるような気分だよ」などと同社の判断に疑問を呈するものもあった。

CEEは、ボードメンバーを含む社内コミュニティのメンバーとのコミュニケーションやメンバーについてのやり取りに適用されるルールで、社員がそれぞれベストを尽くすことができるような互いを尊重し合える環境を維持するためのものだと説明されている。しかしある社員は、削除されたコメントの中にCEEで禁じられているコンテンツを含むものはなかったとの見解を示した。

しかし同社の広報担当者であるTracy Clayton氏は404 Mediaに対し、「(役員人事への)批判を表明するコメントでも、CEEに違反していなかったために削除されずに残っているものも複数ある」と主張。ザッカーバーグ氏が火曜に発表した表現の自由を重視するという方針が社内には適用されていないとみられることについては、「CEEは今日の発表(ザッカーバーグしによって発表された内容)とは何の関係もなく、社内と社外のモデレーションは別物」だと述べているとのこと。

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