DeepSeek製テクノロジーの利用禁じた主な国/機関まとめ
世界中で話題になっている中国産AIのDeepSeek。しかしその倫理面、プライバシー面、そしてセキュリティ面の慣行をめぐる懸念から、さまざまな企業や政府組織などが同AIサービスの利用を禁止し始めているという。
現在までにDeepSeek AIの利用禁止措置を講じたことが報告されている国/地域や組織には、以下が含まれる。
- イタリア:同国のデータ保護機関Garanteは1月末、DeepSeekのデータ収集手法およびGDPRへの準拠可否に関する調査を開始し、同社へ質問表への回答を要求。これに対しDeepSeekは、同アプリはEU法の管轄下にはないと主張したものの、Garanteはこれに同意せず、イタリア国内におけるAppleおよびGoogleのアプリストアから同社アプリを排除する措置を講じた。
- 台湾:台湾のデジタル発展部(デジタル発展省)は、DeepSeekが「国家情報安全保障を危険に晒す」と述べ、政府機関が同社AIを利用するのを禁じた。同省は、公共部門の労働者や重要インフラ施設が同社のサービスを利用すれば、「越境移転および情報流出」のリスクが生じることになるとしている。この禁止措置は、政府機関の職員に加え、公立学校や政府運営の企業の職員・従業員にも適用される。
- 米国議会:米国の議会事務局は、DeepSeek製テクノロジーを使用しないよう警告を受けていると報じられている。Axios紙の報道によると、下院の最高管理責任者(CAO)は議会事務局に宛てた通知の中で、同テクノロジーが「レビュー中」であると報告。また同社AIの人気に乗じた脅威アクターらがDeepSeekの名を利用して有害ソフトウェアを配布しようとしていることにも触れ、「これらのリスクを軽減するため、下院は下院が支給するすべてのデバイスにおけるDeepSeekの機能を制限するセキュリティ措置を講じている」と述べた。事務局のスタッフは公的デバイスへの同アプリのインストールを禁じられているとAxiosは報じている。
- テキサス州:グレッグ・アボット州知事は、州内でDeepSeek製およびその他の中国企業製ソフトウェアを政府支給のデバイス上で利用することを禁じる命令を出した。同知事は声明において、テキサス州は「中国共産党がデータ収集AIやソーシャルメディアアプリを通じて州の重要インフラに侵入することを許さない」などと述べた。
- 米海軍:CNBCの報道によると、米海軍は隊員に対し、DeepSeekのアプリや技術を使用しないよう指示した。その理由としては潜在的なセキュリティ面および倫理面の懸念とされており、隊員にとっては業務に関連するタスクや個人的使途のためにDeepSeekのAIを使わないようにすることが必須になっているとされる。
- 米国防総省:同省もDeepSeek製テクノロジーへのアクセスを禁じたが、この措置が講じられる前にはすでに一部のスタッフが同社サービスを利用してしまっていたと報じられている。ただ、ブルームバーグ紙によると、この禁止措置は継続されているものの、国防総省の職員は中国のサーバーに直接接続しない認可されたプラットフォームであるAsk Sageを通じてDeepSeekのAIを使用することが可能だという。
- NASA:CNBCによると、同メディアはNASAのAI最高責任者が職員に宛てたメモを発見。これには、「DeepSeekおよびその製品・サービスをNASAのデータや情報に対して、または政府支給のデバイスやネットワークにおいて使うことは許可されない」と記されていたという。
Update(2月5日):上記に加え、オーストラリアもすべての政府機関にDeepSeek製品・アプリ・Webサービスの利用またはインストールを禁じる命令を発した。またすでにインストール済みの製品・アプリ・Webサービスの排除も義務化されている。(参考:Cybernews)
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- データの収集と処理
- 分析と生産
- 報告
- フィードバック
- 実効性の評価