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Flashpointの脆弱性ウィークリーレポート:CVE-2025-3248、CVE-2025-27797他

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2025.04.18

2025年4月第3週:Flashpointの脆弱性分析・優先順位付けに関するウィークリーレポート

脆弱性を予測し、状況を把握して優先順位を付けることで、組織に対する脅威に効果的に対処できます。

*本記事は、弊社マキナレコードが提携する米Flashpoint社のウィークリーレポートを翻訳したものです。

脅威アクターのキャンペーンにおいて、初期アクセスベクターとして脆弱性が使われるケースは180%増加しており、これは効果的な優先順位付けのプランニングがこれまで以上に重要になったことを意味しています。毎週発行される本シリーズでは、Flashpointが優先的に対処すべきと判断した脆弱性とその根拠を詳しく説明するだけでなく、より効率的な修復措置をサポートするために、各組織が迅速に優先順位を決める際に役立つ分析をお届けします。

新しい脆弱性エクスプロイトやゼロデイは日々発見されており、プロアクティブに脆弱性を管理する戦略が必要不可欠になってきました。このウィークリーレポートを活用することで、セキュリティチームがパッチ管理にインテリジェンス主導のアプローチを採用できるようになるため、組織は包括的な脆弱性インテリジェンスを通じてタイムリーな修復措置を適用できるようになります。

主な脆弱性:2025年4月第3週

優先順位付けの出発点

Flashpointが今週公開した脆弱性のうち、すぐに対処可能な脆弱性は62件を数えます。それぞれの脆弱性には解決策と公開済みのエクスプロイトが存在し、リモートで悪用できる状態になっています。だからこそ、これらの脆弱性は優先順位付けの取り組みを始める出発点として理想的なのです。

画像1:先週公開された脆弱性のうち、エクスプロイトがリリース済みで解決策もあり、なおかつリモートで悪用可能な欠陥の数(画像入手元:Flashpoint)

画像1:先週公開された脆弱性のうち、エクスプロイトがリリース済みで解決策もあり、なおかつリモートで悪用可能な欠陥の数(画像入手元:Flashpoint)

 

さらに詳しく調査 – 緊急性の高い脆弱性

Flashpointが先週公開した脆弱性のうち、今週の脆弱性分析・優先順位付けに関するウィークリーレポートでは以下の5件が取り上げられています。その根拠は次の通りです。

Of the vulnerabilities Flashpoint published last week, five are highlighted in this week’s Vulnerability Insights and Prioritization Report because they all:

  • 広く使用されている製品に存在し、企業に影響を及ぼす可能性がある
  • 実際に悪用されている、あるいはエクスプロイトが利用可能
  • システム全体が侵害される可能性がある
  • ネットワークを介して単体で、あるいはほかの脆弱性と組み合わせて悪用される可能性がある
  • 対処するための解決策がある

 

さらに、これらの脆弱性はすべて簡単に発見できるため、ただちに調査して修正する必要があります。

これらの脆弱性にプロアクティブな姿勢で対処し、公開済みのソースにとどまらない包括的なカバレッジを確保するために、Flashpointの脆弱性インテリジェンスをご活用ください。ITやOT、IoT、CoT、さらにオープンソースのライブラリと依存関係を網羅する包括的なカバレッジを提供するFlashpointは、NVDに含まれていない、あるいはCVE IDのない脆弱性を10万件以上カタログ化し、一般に利用可能なソースを超える包括的なカバレッジを確保しています。なお、NVDでカバーされていない脆弱性はCVE IDが割り当てられていないため、VulnDBのIDによって言及されます。

CVE ID

説明

CVSS スコア(v2、v3、v4)

エクスプロイトのステータス

エクスプロイトの結果

ランサムウェア攻撃で利用される可能性

ソーシャルリスク評価

解決策の有無

CVE-2025-3248

Langflowにおいてbackend/base/langflow/api/v1/validate.pyのpost_validate_code()関数が認証を強制できない脆弱性

10.0

9.8

9.3

悪用されている

リモートコード実行

あり

CVE-2025-27797

因幡電機産業のAC-WPS-11acシリーズにおいて特定の入力が正しく検証されないことで発生するリモートOSコマンド実行

10.0

9.8

9.3

公開されていない

リモート OSコマンド実行

あり

CVE-2025-27690

Dell PowerScale OneFSでの初期パスワードの使用

10.0

9.8

9.3

公開されていない

特権的アクセス

あり

CVE-2025-32375

BentoMLのランナーサーバーへのリクエスト内の安全でない方法でデシリアライズされた入力値

10.0

9.8

9.3

公開されていない

リモートコード実行

低いが上昇中

あり

VulnDB ID: 398725

Amazon AWS Simple Storage Serviceの存在しないクラウドリソース読み込み時の制御されていない検索パス

10.0

9.8

9.3

公開されていない

リモートコード実行


未評価

手動でのパッチ適用が必要

評価:2025年4月15日時点

 

:脆弱性の深刻度を表すスコアは、新たな情報が反映されたことで変動する可能性があります。Flashpointでは最新かつ関連性の高い入手可能な情報を使って脆弱性データベースを維持しています。より多くの脆弱性に関するメタデータを確認し、最新の情報を入手するにはログインしてください。

CVSSスコア:当社アナリストは入手可能な新しい情報を基に、NVDが評価したCVSSスコアを計算し、必要に応じて調整しています。

ソーシャルリスク評価:Flashpointでは脆弱性がソーシャルメディアでどの程度注目されているかを推定し、評価しています。言及や議論が増えるとソーシャルリスク評価も上がり、悪用される可能性が高くなります。この評価には投稿量や投稿者などの要素が考慮されており、脆弱性の関連性が低くなれば評価は下がります。

ランサムウェア攻撃で利用される可能性:この評価では、ある脆弱性とランサムウェア攻撃での使用が確認された脆弱性との類似性を推定します。当社が脆弱性に関する新たな情報(悪用方法、影響を受けるテクノロジーなど)を入手し、さらにランサムウェア攻撃に使われる脆弱性が追加で発見されると、この評価も変動することがあります。

 

Flashpoint Igniteでは各要素が視認性の高いレイアウトにまとめられており、例えばBentoMLの脆弱性に関するレコードは以下のような形で参照することができます。

このレコードでは影響を受ける製品のバージョン、MITRE ATT&CKのマッピング、アナリストのメモ、解決策の説明、分類、脆弱性のタイムラインとエクスポージャー指標、エクスプロイトに関する参考情報など追加のメタデータが提供されています。

注目すべき脆弱性に対するアナリストのコメント

ここでは、組織が危険にさらされた際に重点的に対応すべき脆弱性について、すでに話題に上がった5つの脆弱性を例にFlashpointのアナリストが説明します。

CVE-2025-3248

Langflowには、backend/base/langflow/api/v1/validate.pyのpost_validate_code()関数が/api/v1/validate/codeエンドポイントの認証を強制できないという脆弱性が存在します。「code」パラメータに@execデコレータで細工されたリクエストを使うことで、リモートの攻撃者は任意のPythonコードを実行できるようになります。この問題は2025年4月12日の時点で悪用された事例が報告されており、その後にベンダーが修正しました。この脆弱性に対処したアップグレード版に関してはIgniteで当該の脆弱性を見て、影響を受ける製品のセクションを確認してください。

CVE-2025-27797

因幡電機産業のAC-WPS-11acシリーズには、特定の入力値が正しく検証されないことで発生する脆弱性が存在します。この脆弱性により、リモートの攻撃者は任意のOSコマンドを実行できる可能性があります。この問題は既に修正済みと報告されています。この脆弱性に対処したアップグレード版に関してはIgniteで当該の脆弱性を見て、影響を受ける製品のセクションを確認してください。

CVE-2025-27690

Dell PowerScale OneFSには初期パスワードの使用に起因する脆弱性があるため、パスワードを設定せずにいるとリモート攻撃者がデバイスへの特権アクセスを容易に取得できます。この脆弱性に対処済みのアップグレード版に関してはIgniteで当該の脆弱性を見て、影響を受ける製品のセクションを確認してください。

CVE-2025-32375

BentoMLにはランナーサーバーに脆弱性があり、これは特別に細工されたリクエスト経由で渡された入力値が安全でない方法でデシリアライズされた場合に引き起こされます。リモート攻撃者はランナーサーバーへのリクエストに「Payload-Container」および「Content-Type」ヘッダーを指定することで、任意のPythonコードを実行できます。BentoMLのベンダーはこの脆弱性を修正しました。この脆弱性に対処済みのアップグレード版に関してはIgniteで当該の脆弱性を見て、影響を受ける製品のセクションを確認してください。

VulnDB ID: 398725

Amazon AWS Simple Storage Serviceには、インストール中に存在しないクラウドリソースを読み込もうとする際、制御されていない検索パスによって引き起こされる脆弱性が存在します。これにより、当該リソースを乗っ取ったリモート攻撃者が任意のコードを実行できる恐れがあります。現在、この不具合を修正するための既知の回避策やアップグレードはありません。ただし、この脆弱性に対処するためのパッチがGITやCVS、SVNといったソースコードリポジトリにコミットされています。次回のソフトウェア更新時にパッチが組み込まれるまでは、既存のインストールに手動でパッチを当てることが知られている唯一の解決策です。

Flashpoint, VulnDBについて

Flashpointは、Deep & DarkWeb(DDW)に特化した検索・分析ツールです。ダークウェブ等の不法コミュニティで、どのようなPoCやエクスプロイトが議論・取引されているか等をモニタリングできます。また、Flashpointの一機能として利用できるVulnDBは、CVE/NVDデータベースにない脆弱性情報各脆弱性のメタデータを豊富に含んだ脆弱性データベースです。

日本でのFlashpointに関するお問い合わせは、弊社マキナレコードにて承っております。

また、マキナレコードではFlashpointの運用をお客様に代わって行う「マネージドインテリジェンスサービス(MIS)」も提供しております。

FlashpointやVulnDBについて詳しくは、以下のフォームからお問い合わせください。

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