DNS4EU:EUがプライバシー重視の独自DNSリゾルバサービスをローンチ | Codebook|Security News
Codebook|Security News > Articles > Threat Report > デイリーサイバーアラート > DNS4EU:EUがプライバシー重視の独自DNSリゾルバサービスをローンチ

デイリーサイバーアラート

Silobreaker-CyberAlert

DNS4EU:EUがプライバシー重視の独自DNSリゾルバサービスをローンチ

佐々山 Tacos

佐々山 Tacos

2025.06.10

DNS4EU:EUがプライバシー重視の独自DNSリゾルバサービスをローンチ

Help Net Security – June 9, 2025

EUが独自のDNSリゾルバサービス「DNS4EU」をローンチ。このサービスの提供により、ヨーロッパ連合のデジタル主権が強化されることが期待されているという。

DNSとは人間が読むことのできるドメイン名をIPアドレスに「翻訳」する(またはその逆)システム。ユーザーの大半はインターネットサービスプロバイダが提供するDNSリゾルバサービスか、GoogleやCloudflareなどのパブリックDNSを利用しているが、EUをベースとしたレジリエントで高速、信頼性も高く安全かつプライバシーフレンドリーな代替サービスとして開発されたのがDNS4EUなのだという。

DNS4EUはEUが共同出資し、欧州連合サイバーセキュリティ機関(ENISA)が支援しているイニシアチブ。EU10か国の民間サイバーセキュリティ企業やCERT、学術期間などから成るコンソーシアムにより開発・管理されている。EUの市民、民間企業、公的組織、政府機関による使用が想定されているものの、義務化されているわけではなく、また検閲用ツールでもない旨が説明されている。

使用料は無料で、エンドユーザーは5つの保護オプションから1つを選ぶことが可能。「フィルターなし」のオプションもあれば、既知の有害サイトや偽造サイト、子どもに不適切なサイトなどへのアクセスをブロックするフィルターも用意されている。またこのDNSリゾルバサービスにはさまざまなCERT、CSIRT、学術期間が関与している点も利点の1つで、これにより、例えばA国を標的にした脅威が発見されれば、同時にほかの数か国または地域でもこれをブロックして脅威の拡散を妨げるなど、EUに特化した脅威インテリジェンスを基にした保護が提供されるという。

また同コンソーシアムによれば、DNS4EUが政府や通信事業者にもたらすもう1つのメリットは、自前のDNSインフラを運用するコストを軽減できる点。加えて、「SOCチームはDNSセキュリティ業務の一部をDNS4EUチームに外注できるため、その負担を軽減することも可能」だと語った。 

【無料配布中!】ディープ&ダークウェブ関連レポート

弊社が作成したレポートディープ&ダークウェブにおけるSNSアカウント売買とディープフェイクを無料配布中です!

ネット上の匿名性を悪用した不正や犯罪が日本においても大きな脅威となる中、弊社アナリストが過去 1 年間のディープ & ダークウェブ上の投稿データを調査。「SNS アカウント売買」「ディープフェイク」という切り口から、ネット上の匿名性を悪用する脅威アクターらの実態をレポートにまとめました。

無料ダウンロードはこちらのバナーから:

レポートの内容

第1章:アカウント売買・貸与

  • 中国語アカウントマーケット
  • 英語 Black Hat SEO 関連フォーラム
  • 英語「デジタル権利マーケット」
  • ロシア語 SMM ツールフォーラム
  • 英語暗号資産関連フォーラム
  • ロシア語ハッキングフォーラム

第2章:ディープフェイク

  • DDW で言及されたディープフェイク
  • ディープフェイク関連の特筆すべき投稿

Special Feature特集記事

Cyber Intelligenceサイバーインテリジェンス

Security情報セキュリティ