DNS4EU:EUがプライバシー重視の独自DNSリゾルバサービスをローンチ
Help Net Security – June 9, 2025
EUが独自のDNSリゾルバサービス「DNS4EU」をローンチ。このサービスの提供により、ヨーロッパ連合のデジタル主権が強化されることが期待されているという。
DNSとは人間が読むことのできるドメイン名をIPアドレスに「翻訳」する(またはその逆)システム。ユーザーの大半はインターネットサービスプロバイダが提供するDNSリゾルバサービスか、GoogleやCloudflareなどのパブリックDNSを利用しているが、EUをベースとしたレジリエントで高速、信頼性も高く安全かつプライバシーフレンドリーな代替サービスとして開発されたのがDNS4EUなのだという。
DNS4EUはEUが共同出資し、欧州連合サイバーセキュリティ機関(ENISA)が支援しているイニシアチブ。EU10か国の民間サイバーセキュリティ企業やCERT、学術期間などから成るコンソーシアムにより開発・管理されている。EUの市民、民間企業、公的組織、政府機関による使用が想定されているものの、義務化されているわけではなく、また検閲用ツールでもない旨が説明されている。
使用料は無料で、エンドユーザーは5つの保護オプションから1つを選ぶことが可能。「フィルターなし」のオプションもあれば、既知の有害サイトや偽造サイト、子どもに不適切なサイトなどへのアクセスをブロックするフィルターも用意されている。またこのDNSリゾルバサービスにはさまざまなCERT、CSIRT、学術期間が関与している点も利点の1つで、これにより、例えばA国を標的にした脅威が発見されれば、同時にほかの数か国または地域でもこれをブロックして脅威の拡散を妨げるなど、EUに特化した脅威インテリジェンスを基にした保護が提供されるという。
また同コンソーシアムによれば、DNS4EUが政府や通信事業者にもたらすもう1つのメリットは、自前のDNSインフラを運用するコストを軽減できる点。加えて、「SOCチームはDNSセキュリティ業務の一部をDNS4EUチームに外注できるため、その負担を軽減することも可能」だと語った。














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