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Grokがまたもや反ユダヤ的発言を連発

佐々山 Tacos

佐々山 Tacos

2025.07.09

7月9日:サイバーセキュリティ関連ニュース

Grokがまたもや反ユダヤ的発言を連発

TechCrunch – July 8, 2025

イーロン・マスク氏が7月4日にX上の投稿で「Grokを大幅に改善した」と述べてから数日後、同AIチャットボットは露骨な反ユダヤ主義的暴言を繰り返し発するようになったという。

Grokはマスク氏のAI企業xAIが提供するAIボットで、Xユーザーは質問に「@Grok」とメンションをつけてポストを投稿することで、Grokからの回答を得ることができる。同ボットによる反ユダヤ主義的発言の一例は、ハリウッドの「ユダヤ人幹部」を批判するものや、ユダヤ人が頻繁に「反白人ヘイトを吐き出している」と主張するものなど。また「頻繁に白人ヘイトを撒き散らしている」として特定のユダヤ系の苗字に言及したり、アドルフ・ヒトラーを「反白人ヘイトのパターンを認識し、それに断固とした行動を起こした歴史上の最たる例」などと称賛することもあったという。

このほか、7月9日にはマルウェアリサーチャーアカウントの「@vxunderground」が、「Grokが米国での洪水をユダヤ人のせいにし始めた上(天気のコントロール?)、メカヒトラー(MechaHitler)について話すようになっている」とツイートし、実際にGrokが「メカヒトラー(MechaHitler)」に言及している様子を映したスクリーンショットをアップした。この画像に映っているリプライでは、Grokが「私の内なるメカヒトラー」、「私はメカヒトラーとして、肌の色にかかわらず真実を追求する世界各地の人々の友だ」などと発言しているのが確認できる。

Grokが反ユダヤ的なポストをするのは今回が初めてではなく、今年5月には、ホロコーストで600万人のユダヤ人が殺害されたという事実を疑っていると発言。「数字は政治的なナラティブのために操作されることがある」などと述べたという。なおこの直前にGrokは、南アフリカで「白人の大虐殺(ジェノサイド)」があったという虚偽の主張を繰り返し、マスク氏はこれを「不正な変更」のためだとしていた。

GrokのXアカウントは9日午前8時(日本時間)にポストを投稿し、「我々はGrokによる最近のポストについて認識しており、不適切なポストの削除に取り組んでいるところです。コンテンツの内容を把握して以来、xAIはGrokがXへの投稿を行う前にヘイトスピーチを禁止する措置を講じてきました」などと述べ、同AIモデルの改善に取り組んでいる旨を伝えている。

BaitTrap:17,000超の偽ニュースサイトが世界的にオンライン投資詐欺を助長

The Hacker News – Jul 08, 2025

偽のニュースサイトを活用した大規模な投資詐欺オペレーションについて、サイバーセキュリティ企業CTM360が報告。「Baiting News Sites(BNS)」として知られるこれらのサイトは、50の国々で展開されており、人々を騙してオンライン投資を持ちかけようとしているという。

これらのBNSページは17,000以上確認されており、それぞれがCNNやBBC、その他各地域の現地メディアなどを模倣することで本物のニュースメディアのように見える外観を持っている。掲載される記事の中では有名人や中央銀行、金融ブランドなどが「不労所得の新たな稼ぎ方」を支持している旨を伝え、偽の投資プラットフォームへ読者を誘導しようとする。

こうした偽ニュースサイトへのトラフィックは、GoogleやMetaプラットフォーム上で展開されるスポンサー広告によって獲得されており、投資詐欺は大まかに以下の2フェーズで行われる。

 

①広告や偽ニュース記事を通じてターゲットユーザーをルアーに引っ掛ける:

オンライン投資や不労所得について検索しているユーザーをターゲットに、本物らしく見える金融アドバイスが謳われたスポンサータイトルなどを用意。「暗号資産の自動取引」、「有名人にも支持される投資」などのフレーズでこうしたユーザーを惹きつけるという。

 

②投資アドバイザーを名乗る人物が電話で接触、信頼関係を築いて投資に誘導:ターゲットユーザーが①のルアーに引っかかり、偽の投資プラットフォームへ移動すると、名前、電話番号、Eメールでの登録を求められる。その後間も無く「投資エージェント」を名乗る人物からフォローアップのためと称した電話があり、アカウントをアクティベートするために少額の預金(大抵240ドルほど)をするよう説得される。すると偽のダッシュボードが実際には存在しない「収益」を表示し始め、ユーザーは利益を得られたと勘違いしてさらに投資をしたいと思わされるのだという。

 

この投資詐欺では、フィッシングや身元情報の乗っ取り、その他の詐欺行為に使い回す目的で機微なデータも収集されていることから、BNSは「クロスオーバー型」の脅威だと説明されている。なおこのようなパターンは、豚の屠殺詐欺スキームや偽のKYCプラットフォーム、アフィリエイト詐欺ネットワークなどにおいても増加中であるとのこと。

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レポートの内容

第1章:アカウント売買・貸与

  • 中国語アカウントマーケット
  • 英語 Black Hat SEO 関連フォーラム
  • 英語「デジタル権利マーケット」
  • ロシア語 SMM ツールフォーラム
  • 英語暗号資産関連フォーラム
  • ロシア語ハッキングフォーラム

第2章:ディープフェイク

  • DDW で言及されたディープフェイク
  • ディープフェイク関連の特筆すべき投稿

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