Zscalerの顧客データが漏洩、Salesloft Driftの侵害伴うサプライチェーン攻撃の影響で
BleepingComputer – September 1, 2025
サイバーセキュリティ企業Zscalerが、Salesforceに統合されたAIチャットエージェント「Salesloft Drift」の侵害を伴うサプライチェーン攻撃キャンペーンの影響を受けたことを公表。同社のSalesforceインスタンスへ脅威アクターが不正にアクセスし、顧客情報の一部を盗み出していたという。
Salesloft Driftはセールス業務を自動化するサードパーティアプリケーションで、Salesforceのデータベースと連携させてリードや連絡先情報を管理するためなどの目的で利用されている。Googleが8月26日に報告した内容によると、2025年8月8日から8月18日にかけてSalesloft Driftの侵害が発生。脅威アクターUNC6395が同アプリに関連するOAuthトークンを盗み出し、この認証情報を利用してSalesforceを利用する顧客の環境へアクセスして、AWSアクセスキーやパスワード、Snowflake関連のアクセストークンといった機微なデータの窃取を試みたとされる。
Zscalerも影響を受けたSalesforce顧客の1社で、調査の結果、脅威アクターが以下のZscaler自身の顧客の情報にアクセスしたことがわかったという。
- 名前
- 業務用メールアドレス
- 職位/役職名
- 電話番号
- 地域/所在地の詳細
- Zscaler製品のライセンスおよび商用情報
- 特定のサポートケースの内容
Zscalerは、データ侵害の影響範囲がSalesforceインスタンスのみに限られ、同社自体の商品やサービス、インフラへの影響はない点を強調。現在までに上記の情報が不正利用された形跡もないと伝えたものの、顧客に対しては、これらの情報を悪用して今後発生し得るフィッシングやソーシャルエンジニアリング攻撃に警戒するよう推奨した。
上記とは別に、企業のSalesforceインスタンスに対する攻撃が2025年初頭から恐喝グループShinyHuntersによって実施されている。これはボイスフィッシング(ビッシング)攻撃により従業員を騙し、不正なOAuthアプリをターゲット企業のSalesforceインスタンスにリンクさせるよう仕向けるという手口で行われる物だが、数人の研究者がBleepingComputerに伝えたところによると、このキャンペーンと最近のSalesloft Driftを狙ったキャンペーンには重なり合う部分があるとみられるとのこと。
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- 脅威プロファイルの確立
- ステークホルダーの特定・分析
- ユースケースの確立
- 要件の定義と管理
- データの収集と処理
- 分析と生産
- 報告
- フィードバック
- 実効性の評価