米政府、防衛請負業者L3Harrisの元重役を営業秘密の窃取およびロシアの買い手への売却容疑で告発 | Codebook|Security News
Codebook|Security News > Articles > Threat Report > デイリーサイバーアラート > 米政府、防衛請負業者L3Harrisの元重役を営業秘密の窃取およびロシアの買い手への売却容疑で告発

デイリーサイバーアラート

Silobreaker-CyberAlert

インサイダー

スパイウェア

米政府、防衛請負業者L3Harrisの元重役を営業秘密の窃取およびロシアの買い手への売却容疑で告発

佐々山 Tacos

佐々山 Tacos

2025.10.24

米政府、防衛請負業者L3Harrisの元重役を営業秘密の窃取およびロシアの買い手への売却容疑で告発

TechCrunch – October 23, 2025

米国司法省は10月14日、防衛請負事業者であるL3Harris社の元重役を、営業秘密を盗みロシアの買い手に売却した容疑で告発したという。TechCrunch紙が入手した裁判書類により明らかになった。

この書類は「検察官起訴状(criminal information)」と呼ばれる書面で、大陪審起訴状(indictment)と同様に、容疑のかかっている犯罪に対する正式な告発を意味するもの。これには、オーストラリア国籍のPeter Williamsという人物には、名称の明かされていない企業2社から営業秘密計8件(2022年4月から2025年6月の間に7件、2025年6月から8月6日の間に1件)を盗み、それをロシアを拠点とする買い手に売却した疑いがある旨が記載されている。この取引によりWilliams被告は130万ドルの利益を得たとされる。本件の初公判および司法取引協議は、10月29日にワシントンD.C.で予定されているという。

同書面では、Williams被告と上記2社との関係性や窃取された営業秘密の種類、また「ロシアの買い手」の正体は明かされておらず、同被告の当時の勤務先についても触れられていない。しかしTechCrunch紙は取材を通じ、Williams被告はTrenchantの元ゼネラルマネージャーであることを確認済みだという。また同紙は以前、Trenchantの元従業員4名から、Williams被告が逮捕された旨を伝え聞いている。TrenchantはL3Harris配下のスパイウェアメーカーで、米国を含む西側諸国の政府向けにハッキングツールや偵察ツールの開発を行っている。TechCrunch紙によれば、米国ワシントン州在住だったWilliams被告は2024年10月23日に同社のゼネラルマネージャーとなり、2025年8月21日まで勤務を続けたとされる。

なお、TechCrunchは10月21日公開の別の記事において、Trenchantの「元従業員4人の話」として、同社が自社製ハッキングツールの漏洩について調査中であった旨を報じている。この件をめぐり、同じく元従業員だったJay Gibson氏(仮名)がTrenchantから関与を疑われて解雇されたものの、本人は関与を否定。さらにGibson氏の元にはその後、Apple社から「あなたのiPhoneに対する標的型の商用スパイウェア攻撃を検出しました」との通知が届いていたと伝えられている。

しかし、漏洩したとされるツールはGoogle Chromeの脆弱性を悪用する性能を持つものであったのに対し、Gibson氏はiOS向けのエクスプロイト開発を担当していたため、Chrome向けツールへのアクセスは有していなかったとされる。元従業員3人も、Trenchantは各従業員のアクセス権を担当するプラットフォームのみに限定していたと証言している上、TechCrunchの情報筋らは同社のGibson氏に対する疑いは間違いであったと述べているという。

ただ、Trenchantにおけるツールの漏洩やその調査が今回のWilliams被告の容疑と関連しているかどうかは現時点でわかっていないとのこと。

【開催決定!】日本最大級サイバー(脅威)インテリジェンスイベント

サイバーインテリジェンスイベント「Cyber Intelligence Summit 2025」を開催します!

3大メガバンクスペシャル対談に加え、JC3、公安調査庁、楽天、リクルート、パナソニックなどからスペシャリストが登壇!海外からもアナリストや専門家が多数登壇予定です!

kv_cis2025

開催概要

日 程:2025年11月5日(水)、6日(木)、7日(金)

会 場:ベルサール虎ノ門(オンライン配信無し)

料 金:フルパス ¥10,000|展示パス 無料

登 録:特設サイトより事前登録

Special Feature特集記事

Cyber Intelligenceサイバーインテリジェンス

Security情報セキュリティ