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Google、同社のAIがレシピを「剽窃」したとの批判受けXポストを削除

佐々山 Tacos

佐々山 Tacos

2025.12.02

2025年12月2日:サイバーセキュリティ関連ニュース

Google、同社のAIがレシピを「剽窃」したとの批判受けXポストを削除

BleepingComputer – December 1, 2025

Google製AIツール「NotebookLM」の公式X(旧Twitter)アカウントが、料理ブロガーのレシピを引用元を示さずにAI生成の画像にして投稿したことで批判に晒されている。これを受けてGoogleは、密かに当該ポストを削除したという。

NotebookLMはGoogleが提供するAI搭載リサーチアシスタントツールで、ユーザーがアップロードしたPDF、ウェブサイト、YouTube 動画、音声ファイル、Google ドキュメント、Google スライドなどの要約や整理、分析などを行うことができる。一方でGoogleは最近、同社最強の画像生成AIモデル「Nano Banana Pro」をローンチしており、今回問題になった投稿もこのモデルにより生成されたものだった。

数百万以上のWebサイトや動画を使ってトレーニングされたものと思われるNano Banana Proは、リアリスティックな画像の生成に加え、インフォグラフィックの生成も得意とする。GoogleはNotebookLMのXアカウントで度々このインフォグラフィック生成機能を宣伝してきたが、そうした投稿の1つが、11月26日にポストされた感謝祭(サンクスギビングデー)向けのレシピ画像。材料や調理手順、コツなどをイラストと共に分かりやすくまとめた画像だったが、その後XユーザーのNate Hake氏が同画像と「How Sweet Eats」というブログサイトに掲載されたレシピを比較し、両者が驚くほどそっくりであることを指摘した。

Hake氏がXに投稿した通り、Nano Banana Proが生成した画像内の材料リストやレシピの作りはHow Sweet Eatsに掲載された元の記事とほぼ同一。Hake氏は、同AIモデルは「思考」によりこのレシピ画像を生成したのではなく、既存のレシピを一字一句スクレイピングし、可愛らしいイラスト付きのレシピカードへと変貌させた可能性が高いと主張した。

Hake氏は「AIスロップ」と呼ばれるAI生成の低品質または粗悪なコンテンツを調査・追跡している人物で、BleepingComputer紙の取材に対し、「Googleは一線を越え、もはや出典サイトへのリンクすら付けないAI要約を公開するところまで行ってしまった。しかもそれは、これらのWebサイトが掲示している利用規約に明確に反する行為だ」とコメントした。さらに同氏は、今回の件は、Googleが検索市場における自らの独占的な立場を利用して、検索に対する「答えそのものまでをも独占しようとしている」ことを示していると主張。「かつてGoogleはコンテンツを作るために努力しているWebサイトへクリックを送る立場だったが、AIが登場してからは、単にコンテンツをスクレイピングしてそれをAI要約として転載し、原典のクリエイターに送られるクリックの数をどんどん減らしている」と説明した。

GoogleはXでの批判を受け、密かに当該ポストを削除したとのこと。

10代のサイバー犯罪は多くの場合「一時的なもの」:オランダの研究で判明

The Register – Mon 1 Dec 2025

オランダ政府が公開したデータによれば、サイバー犯罪者は早い段階でスキルを身につけ始め、20歳になるまでには犯罪の世界から足を洗う傾向があるという。

青少年の犯罪キャリアが社会にもたらすコストについて調査したオランダ政府の報告書によれば、青少年犯罪の中で最も多いのが窃盗などの財産犯罪で、最も少ないのがサイバー犯罪・武器犯罪・薬物犯罪の3カテゴリーだとされる。一方でこの報告書はさまざまな研究を引用した上で、犯罪の種類に関係なく、10代の若者は似たような年齢で犯罪的傾向を探り始めることが示された。

若いサイバー犯罪者の犯罪傾向のピークは、2010~2012年および2018~2021年においては17~19歳、2013〜2017年に関しては20歳だったとされ、時代によりばらつくことはあるにせよ、おおよそ20歳前後にピークが訪れることが示された。このピーク年齢はサイバー犯罪に限らず、あらゆる犯罪に広く当てはまるという。なおサイバー犯罪のスキルは、早い段階から「ハッキングゲーム類」を通じて獲得されることが多いとされる。

また報告書が引用した2013年の調査では、323人のサイバー犯罪者のうち、76%が20歳で犯罪活動のピークを迎え、その後の数年間で徐々に犯罪の世界から離れていったとの調査結果が示された。早期にブラックハットの道へ進んだ者のうち、20歳を大きく超えても犯行を続ける可能性が高いのはわずか約4%にすぎないとされる。

報告書によれば、全体としてオランダにおける青少年犯罪が及ぼす社会的コストは年間103億ユーロ(約119億ドル)。コストの内訳は、大部分が医療費や生活の質の低下などの形で被害者が負担するもので、そのほかは、警察や刑務所、裁判所などにかかる行政コストが占めている。長期的なデータがないため、サイバー犯罪単体の社会的コストは他の犯罪と同じ方法では算出できなかったとされるが、国際的な法執行機関が特定のサイバー攻撃者を追跡するのに多大なリソースを費やしていることを考えれば、オランダにおける青少年のサイバー犯罪がもたらす経済的影響もかなり大きいだろうと推測される。

なお、オランダ政府が引用した研究には10年以上前のものも含まれる点には注意が必要。同政府も報告書において、従来型の犯罪に比べ、サイバー犯罪に関する長期的な研究がほとんど存在せず、現在ある研究もすぐに時代遅れになる可能性があることを認めているとのこと。

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