10月16日:サイバーセキュリティ関連ニュース
米CISA、現在悪用されている脆弱性について警告:Windowsカーネルの欠陥、Firefoxのゼロデイなど(CVE-2024-30088、CVE-2024-9680他)
Securityonline[.]info – October 15, 2024
米CISAがMicrosoft Windows、Mozilla Firefox、SolarWinds Web Help Deskなど、幅広いソフトウェアに影響を与える3件のセキュリティ脆弱性について、緊急警告を発出した。これらの脆弱性は、現在攻撃に悪用されているものとしてKEVカタログ(悪用が確認済みの脆弱性カタログ)に追加されており、早急なパッチ適用が必要となっている。
今回追加された脆弱性3件は以下の通り。
- CVE-2024-30088:Windowsカーネルにおける特権昇格の脆弱性。攻撃者はこれを悪用してSYSTEMレベルまで権限を昇格させ、システムを完全に制御できるようになる。CISAは同脆弱性を特定のキャンペーンと関連付けていないが、トレンドマイクロの研究者は、イランを拠点とするグループ「OilRig」がこのエクスプロイトを利用してMicrosoft Exchangeサーバーを狙い、認証情報の窃取と特権昇格を行っていると指摘している。
関連記事:Windowsカーネルにおける権限昇格の脆弱性、PoCエクスプロイトが公開される(CVE-2024-30088)
- CVE-2024-9680:Firefoxのアニメーションタイムラインにおける解放済みメモリ使用の脆弱性。攻撃者はこの脆弱性を悪用することで、コンテンツ処理においてコードを実行できるようになる。
- CVE-2024-28987:SolarWinds Web Help Deskにおける情報開示の脆弱性。これを悪用した攻撃者は認証なしでシステムにリモートアクセスでき、ヘルプデスクのチケットを改ざんしたり、機微性の高いデータにアクセスしたりすることができる。
同局はすべての連邦政府文民機関(FCEB)に対し、2024年11月5日までにこれらの脆弱性にパッチを適用するよう呼びかけているが、これ以外のすべてのユーザーおよび組織に対しても、直ちにアップデートを行うことが強く推奨される。
スウェーデンとフィンランドが連携し、犯罪マーケットプレイス「Sipulitie」をテイクダウン
The Record – October 16th, 2024
スウェーデンとフィンランドの法執行機関が、麻薬やその他の犯罪関連の品物を扱うスカンジナビアのオンラインマーケットプレイス「Sipulitie」をテイクダウン。同プラットフォームのネットワークサーバーも差し押さえた。
2023年2月にTorネットワーク上で開設された「Sipulitie」は、当初フィンランドに焦点を当てていたが、その後ほかのスカンジナビア諸国にも勢力を拡大。前身となるサイトは2019年4月に開設されたものの、2020年12月にフィンランド税関とポーランド当局によって閉鎖されている。
今回のテイクダウンでは、調査を通じて両サイトの管理者やモデレーター、カスタマーサービス担当者の身元が判明したとのこと。また、同プラットフォーム上で物品を売買していた人物も特定されている。なお、サイトの閉鎖に伴って逮捕者が出たかどうかについては明らかにされていない。
捜査は現在も続いているとのこと。
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