3月29〜31日:サイバーセキュリティ関連ニュース
RESURGEマルウェア、ルートキットとWebシェル機能でIvantiの脆弱性を悪用(CVE-2025-0282)
The Hacker News – Mar 30, 2025
米サイバーセキュリティ・インフラストラクチャ・セキュリティ庁(CISA)は28日、RESURGE(libdsupgrade.so)と呼ばれる新しいマルウェアの詳細について明らかにした。
RESURGEはSPAWNCHIMERAマルウェアの改良版とされ、すでにパッチが適用されているIvanti Connect Secure(ICS)アプライアンスの脆弱性(CVE-2025-0282)を悪用する試みの一環として展開されたという。この欠陥はIvanti Connect Secure、Policy Secure、Neurons for ZTAゲートウェイに影響するスタックベースのバッファオーバーフロー脆弱性で、リモートコード実行につながる危険性がある。
CISAによると、RESURGEには「再起動後も存続可能といったSPAWNCHIMERAマルウェアの亜種の機能」に加え、Webシェルを作成・使用してファイルの変更や権限を昇格するなど「特徴的なコマンドが複数備わっている」ようだ。さらに「ルートキットやドロッパー、バックドア、ブートキット、プロキシ、およびトンネラーの機能も含まれる」ことが判明している。
またGoogle傘下のMandiantにより、CVE-2025-0282はSPAWNANT、SPAWNMOLE、SPAWNSNAILなど複数のコンポーネントで構成されるマルウェアのエコシステムSPAWNを配布するために武器化されていることがわかっている。この脆弱性は中国関連の脅威グループSilk Typhoon(旧称Hafnium)にゼロデイとして悪用されたことがあるもので、SPAWNを使っているのは同じく中国系のスパイグループUNC5337とされる。
日本のJPCERT/CCも先月、SPAWNを改良したSPAWNCHIMERAの配布にCVE-2025-0282が悪用されたことを確認している。
Morphing Meerkatフィッシングキットが100超のブランドを標的に
サイバーセキュリティ企業Infobloxの調査により、あるフィッシング・アズ・ア・サービス(PhaaS)プラットフォームがDNSメール交換(MX)レコードを使い、100件以上のブランドに扮した偽ログインページを提供するフィッシングキットを生成していることが判明した。
このPhaaSプラットフォームの運営者は脅威アクターMorphing Meerkatの可能性が高く、スパムの大量配信、メールセキュリティシステムのバイパス、難読化といったサービスをユーザーに提供している。Infobloxによると、同アクターはアドテックインフラのオープンリダイレクト脆弱性を悪用し、侵害されたドメインを使用してフィッシングメールを送信。盗んだ認証情報をメールやチャットサービスを通じて配布しているという。観察されたアクティビティは、主に英国(iomart)と米国(HostPapa)のインターネットサービスプロバイダー(ISP)に集中しているようだ。
Morphing Meerkatのプラットフォームは侵害されたWordPressサイトを使って被害者をリダイレクトさせ、DNS MXレコードによるメールサービスプロバイダーの識別、動的なフィッシングページの提供とコンテンツの翻訳(12以上の言語に対応)を行っているとされる。Infobloxは「攻撃のほぼすべてがEメールユーザーのログイン認証情報をターゲットにしている。このPhaaSプラットフォームの開発者は、こういったアクティビティ専用にプラットフォームを設計したものと思われる」と指摘した。
このアクティビティはおそらく2020年1月頃に始まり、当初はGmail、Outlook、AOL、Office 365、Yahooを偽装。その後に大幅な進化を遂げ、現在では114の異なるブランドを偽装したWebテンプレートを動的にロードしている。
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目次
第1章:脅威ランドスケープの急速な変化:波乱のランサムウェア情勢と新たに報告された攻撃手法
第2章:世界情勢や地政学がサイバーセキュリティにもたらす影響
第3章:スティーラーの急成長と認証情報の漏洩が生むリスク
第4章:サプライチェーンリスク
第5章:2024 年に組織を脅かした脆弱性