6月19日:サイバーセキュリティ関連ニュース
イラン、イスラエルのサイバー攻撃対策でインターネットアクセスを制限
イラン政府は17日、同国のインターネットアクセスが制限された事象を意図的なものと表現し、イスラエルの関与が疑われるサイバー攻撃を受けて「ネットワークの安定性を維持するための措置」と説明した。
実際に、インターネット監視機関のNetBlocksとCloudflare Radarのネットワークデータは、インターネット接続の急激な低下を確認。イランは制限が「対象を絞った」ものだと述べていたものの、NetBlocksは18日午後、これを「ほぼ完全なインターネット遮断」と表現している。
いずれにせよこれらの措置は、親イスラエル派ハッカーグループPredatory Sparrowが今週初めにイラン国営セパ銀行を攻撃したことを受けて実施されたという。このサイバー攻撃により、口座へのアクセス、引き出し、カード決済に支障が生じたと報じられた。
さらにPredatory Sparrowは18日、イランの暗号資産取引所Nobitexへの攻撃についても犯行を主張し、プラットフォームのソースコードと内部ネットワークのデータを24時間以内に公開すると宣言した。
ブロックチェーン調査員のZachXBT氏は、この攻撃後にNobitexから8,170万ドル相当のデジタル資産が盗まれたと指摘。ただし暗号資産追跡ツールChainalysisのアナリストによると、盗まれた金額は推定9,000万ドル以上で、これらの資金は事件後に「永久にアクセスできなくなった」とされている。
報道によると、イランの当局者と治安部隊員は、監視やハッキングを防ぐためにインターネット接続機器の使用を禁止されている模様。イランでは固定電話から国際電話の発着信も制限された上、多くのユーザーが国外のWebサイトへのアクセスを遮断されているようだ。
ハッカーグループがイラン最大の暗号資産取引所から数百万ドルを強奪、破壊的な損害もたらす
イラン最大の暗号資産取引所Nobitexは18日、ハッキングを受けてホットウォレットから資金が流出したと発表した。
TechCrunchが翻訳した声明によると、Nobitexはインフラに加え、顧客の暗号資産の一部を保管しているホットウォレットへの不正アクセスを検知したとのこと。同社はこのインシデントを調査中で、Webサイトとアプリが当面の間利用できなくなると告知している。
公開済みのレコードによると、実行犯は複数の取引を通じて少なくとも9,000万ドルの資産を盗み出したようだ。ブロックチェーン分析会社Ellipticは、攻撃者が盗んだ暗号資産を「燃やす」ために誰にもアクセスできないウォレットへ送金し、この資金を流通から事実上除外したと述べている。
今回の攻撃については、親イスラエル派のハッカーグループ「Predatory Sparrow」から犯行声明が出されている。2021年に初めてその存在が知られた同グループは、Nobitexを標的にした理由をXに投稿。「イラン政権にテロ資金を提供し、国際制裁の回避を企てた疑いがあるため」と説明した。
ペルシャ語の別名「Gonjeshke Darande」でも知られるこのグループは、17日にもイラン国営セパ銀行へのハッキングで犯行声明を発表。この攻撃によりイラン全土のATMが広範囲に停止していた。
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