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ロシア国内のポルシェが機能停止、コネクテッドカーのセキュリティリスクが浮き彫りに

yab

2025.12.08

ロシア国内のポルシェが機能停止、コネクテッドカーのセキュリティリスクが浮き彫りに

Security Affairs – December 07, 2025

ロシア国内のポルシェ製の車が、工場出荷時に搭載された衛星セキュリティシステムに不具合が生じ、稼働不能になったと所有者やディーラーが報告している。この問題は、オンボードモジュールである車両追跡システム(VTS)によって発生したとみられている。

ロシアの大手ディーラーRolf社によると、ポルシェ車が衛星警報モジュールとの接続を失い、全モデルが自動ロックを行ったため、突然のエンジン停止や燃料供給の遮断が複数件報告されたという。また、車両に標準搭載されている衛星警報装置の不具合により、11月28日以降オーナーからのサービス依頼が増えていると語った。

ロシアメディアRBC社のディレクターは、ポルシェの工場出荷時の警報システムを通じてどの車両でもロックされる可能性があり、工場出荷時のアラームユニットをリセットして分解することで、ロックを解除できると主張。Rolfの担当者もRBCに同意しつつ、運転停止は意図的なものだった可能性があると結論づけた。しかし、このことを裏付ける証拠は示されていない。

ロシアのポルシェマカン・クラブによると、VTSを手動で無効にする必要があり、VTSシステムの無効化や再起動、あるいはバッテリーを何時間も外した後で復旧に成功したオーナーが複数いるという。

今回の問題では、インターネットへの接続機能を有するコネクテッドカーのセキュリティシステムが単一障害点(SPOF)となった際の潜在的なリスクが明らかになった。ポルシェのVTSモジュールに不具合が生じると車両が動かなくなることからも、デジタル制御が物理的な安全性とモビリティに深く影響を与えていることが明示されている。また、意図的な攻撃によるものであったという証拠は見つかっていないものの、脅威アクターによって悪用される危険性が依然として存在しており、遠隔操作による走行システムに脅威アクターが介入することで、大規模な混乱を引き起こしたり公共の安全を脅かしたりするだけでなく、地政学的な攻撃に利用することもできる。

ポルシェは2022年のウクライナ侵攻後、ロシアでの販売と事業活動を停止しているが、売却できていない現地子会社を3社保有しているものの、今回の問題についてまだコメントしていない模様。

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