ヨーロッパ、テクノロジーにおける米国依存の脱却を画策
さまざまな金融システムから米ドルまで、現代社会ではあらゆるものが米国を中心に回っているが、圧力外交や他国指導者の拘束、NATOおよびヨーロッパの同盟国に対する侵攻脅迫など、国際規範を覆すような米トランプ政権の言動にも注目が集まっている。その先行きがますます予測不可能になりつつある中、一部のEU諸国では米国製テクノロジーからの脱却に加え、デジタル主権の回復を目指す動きが強まっているようだ。
欧州議会は1月22日、外国プロバイダーへの依存を減らす分野をEUで特定するよう欧州委員会に指示する報告書を採択した。この報告書によると、EU加盟国はデジタル製品やサービス、インフラの80%以上をEU域外諸国に依存しているという。さらに同27日には、フランス政府がZoomとMicrosoft Teamsを自国製のビデオ会議ソフトVisioに置き換えると発表した。
一方、デジタル主権に関する懸念は今に始まったことではなく、米国が9・11同時多発テロ後に愛国者法を制定した2001年まで遡る。米諜報機関は同法により、それまで認められていなかった方法で世界を監視する権限を獲得。同盟国市民の通信を盗聴することも可能になったため、厳格なデータ保護およびプライバシー規則をすでに制定していたヨーロッパで大きな懸念を引き起こしていた。
なお、個人消費者レベルでも米国離れを促す動きが活発化しており、テクノロジー業界の従業員から米連邦移民局職員の暴力的対応に異議を唱えるよう声が上がっているほか、独立系ジャーナリストが米テクノロジーサービスから乗り換えるためのガイドを公開。switch-to(.)euやEuropean AlternativesといったWebサイトでも、大手テック企業の製品やサービスに代わる選択肢としてオープンソースツールなどの利用を推奨している。
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中国系ハッカーグループ、英首相側近の携帯電話を数年にわたって盗聴した疑い
The Register – Tue 27 Jan 2026
中国政府の支援を受けたハッカーグループにより、英国首相の側近が数年前から携帯電話を盗聴されていたと報じられている。
『テレグラフ』紙の報道によると、ターゲットにされたのはボリス・ジョンソン、リズ・トラス、リシ・スナク各元首相の側近で、2021年から携帯電話へ不正にアクセスされていた可能性があるとのこと。特にスナク氏の在任期間中、政府機関職員の携帯電話や通信網が「多く」の個別攻撃を受けたと伝えられている。政府中枢まで侵害されていたと話す関係者もいるようだが、首相本人の端末が盗聴されていたのかどうかはわかっていない。
犯人として有力視されているのは、通信事業者への侵害で悪名高い中国系サイバースパイ集団の「Salt Typhoon」。このグループは通信事業者のネットワークに潜入することにより、標的の端末に何もインストールすることなく、メタデータや通信内容を盗み取っているとされている。
こうした攻撃者は多くの場合、メッセージの内容や通話履歴に完全にアクセスできなくても、通話記録と位置情報データがあれば通話者や通話頻度、発信地域を把握できるという。テレグラフ紙がコメントを引用した諜報当局者は、攻撃者が首相側近らのテキストメッセージや通話内容を傍受した可能性があると述べた上で、一方でメタデータ単体でも攻撃者にとっては有用だっただろうと付け加えている。
英情報局保安部MI5は昨年11月、中国政府によるスパイ活動の疑いがあると議会に警告したものの、不正アクセスの範囲や影響を公表していない。これらの疑惑について、中国外務省は根拠がないと一蹴し、西側諸国がサイバーセキュリティを政治利用していると非難した。



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