インターポール、AIでサイバー犯罪者の生産性が向上していると指摘
The Register – Mon 16 Mar 2026
国際刑事警察機構(インターポール)の最新の推計によると、人工知能(AI)を活用した金融詐欺は、AIを使わない事例に比べて4.5倍も収益性が高くなっているようだ。
インターポールはAIが「効率性と有効性を大幅に向上させる」と述べ、今後も犯罪行為に悪用されるケースが増える見通しを明らかにした。AI普及を主要因とする金融詐欺の損失額についても、2025年に全世界で約4,420億ドルを計上したと報告。この金額は今後3~5年間でさらに増加すると予想した。
サイバー犯罪者の間ではなりすましメールなどの文言を書き換えたり、わずかな音声素材からディープフェイクを作成したりする際に多用されるAIだが、最近ではその存在が犯罪行為の成功と失敗を左右するとまで言われている。インターポールは過去2年間の技術的進化により、犯罪ネットワークが「最小限の投資で活動規模を飛躍的に広げられるようになった」と指摘。AI分野の最新トレンドである「エージェント型AI」に対しても警鐘を鳴らし、この自律型AIが攻撃者に与える能力に懸念を示した。
エージェント型AIはまだ大規模な導入に至っておらず、その脅威が現実のものとなるかどうかで意見が分かれるようだが、利用されれば犯罪者の労力を大幅に軽減することが見込まれる。個人の認証情報はもちろん、ランサムウェア攻撃に悪用できる企業システムの脆弱性といった情報も、ボットに指示するだけですべて取得できるようになる恐れがあるとされている。
その一方で、AI生成の性的な画像・動画で被害者を脅し、金銭を支払わせるセクストーションも増えているとインターポールは報告した。一部の事例では、攻撃者が暗号資産や外国為替、ロマンス関連といった従来の詐欺手口を拒否された後、同じ標的にAIを使ったセクストーションを試みているという。
この展開は東南アジアや中南米、北アフリカ、ヨーロッパの一部地域などで人身売買の被害を急増させている詐欺センターと密接に関連しているとされ、インターポールの分析では全世界で数十万人規模の被害者がいるとのこと。国境を越えた法執行機関による摘発作戦で多くの容疑者が逮捕されているとはいえ、それを上回るペースで詐欺拠点が拡大しているそうだ。



-300x200.png)













