ヨーロッパのクラウド業界団体、テック大手による「主権洗浄」の阻止を欧州委員会に求める
The Register – Wed 18 Mar 2026
ヨーロッパのクラウドおよびデジタルサービスプロバイダー24社のCEOらは欧州委員会(EC)に対し、まもなく制定される「クラウドおよびAI開発法(CADA)」において、真の「技術主権」を実現するための法整備を行うよう強く求めているという。
欧州クラウドサービスの業界団体CISPE(Cloud Infrastructure Service Providers in Europe)に所属するこれらのCEOらは、EC技術主権担当執行副委員長に宛てた書簡に署名。この書簡には、米国企業をはじめとする大手テック企業の支配をさらに強固にするような「主権洗浄」を許容するのではなく、競争力のある地域主導のクラウドエコシステムを育成できるよう、CADAにいくつかの重要な原則を盛り込むよう求める内容が記されている。
この書簡の中心的な主張は、主権とは、プロバイダーが単にEU内に拠点を有しているかどうかではなく、管理権によって定義されなければならないというもの。例えば米国のテクノロジー企業は、EU支社を持つ場合であっても米国クラウド法など本国の法律に従わねばならないため、米当局からデータの提供を求められれば、それがEU域内で保管されているデータであっても提出の法的義務を負うことになる。
現にマイクロソフトは2025年7月、米トランプ政権から同社のサーバー上で保管されている顧客情報へのアクセス権を要求された場合、フランス国内(そして暗にヨーロッパ全体)の顧客のデータ主権を「保証することはできない」と述べている。書簡ではこうした事態を懸念し、技術に対する実質的な所有権と、上記のクラウド法のような域外適用法からの保護が必要である旨が示されているという。
具体的には、CISPEは以下のような事項を求めている:
- 機微なデータを扱うヨーロッパのプロバイダーに対する調達枠の確保
- 現地企業を事実上締め出すような大規模なフレームワーク策定の回避
- 納税者の資金によるクラウドおよびAIへの投資において、ヨーロッパのサプライチェーンを優先させること
- メモリやプロセッサなどの主要コンポーネントの現地での代替品開発に向けた資金提供
- 環境持続可能性に関する要件の強化
など
真に主権的なITサービスが利用できない場合、特に外国政府や第三者が干渉を試みた場合には、ヨーロッパの事業体が少なくとも自社のクラウドデータ、インフラ、およびワークロードに対する実効的な管理権を保持できるようになるべきであるとCISPEは主張している。
現在のヨーロッパにおけるクラウドサービス市場では、AWS、Azure、Google Cloudの米大手が70%ほどのシェアを占める。この数量の膨大さから、専門家らは「ヨーロッパのワークロードおよびデータを大手米国クラウドから引き剥がすには20年ほどかかる可能性があると指摘。それでも、2025年の第2次トランプ政権発足以来、ヨーロッパにおけるデータ主権・技術主権の保持に関する政治的緊急性は増しており、米国製テクノロジーインフラへの依存を減らそうとする意欲に拍車がかかっているとのこと。





-300x200.png)













