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ICE、Paragon製スパイウェアを購入・使用していたことを認める 麻薬取引捜査のため

佐々山 Tacos

佐々山 Tacos

2026.04.03

ICE、Paragon製スパイウェアを購入・使用していたことを認める 麻薬取引捜査のため

TechCrunch – April 2, 2026

米ICE(移民・税関捜査局)のトッド・ライオンズ局長代行は議員らに宛てた書簡において、ICEがParagon Solutions製スパイウェアを購入し、薬物売買事件の捜査で同スパイウェアを利用していたことを認めたという。

 

この4月1日付けの書簡には、ICEの犯罪捜査部門である国土安全捜査局(HSI)による「最先端の技術ツール」の使用をライオンズ局長代行が承認した旨が記されている。またその用途は、「外国のテロ組織による暗号化通信プラットフォームの悪用が横行している」ことに対抗するためだとされている。

 

暗号化されたデータにアクセスすることはできないという事実は、法執行機関によるスパイウェアの利用を正当化するために持ち出されることが多い。一方で、「重大刑事事件」の捜査が目的であると主張しつつ、政府向けの商用スパイウェアがジャーナリストや政治家、市民社会などの「非犯罪者」に対して使われるケースも多々報告されていることから、人権擁護団体などは非難の声を上げてきた。

 

書簡の中で、ライオンズ局長代行は、ICEによるスパイウェアの使用は「憲法上の要件を満たす」ものであると主張。「HSIによる当該ツールの運用上の使用が、重大なセキュリティ上または対諜報上のリスク、あるいは外国政府や外国人による不正使用の重大なリスクをもたらさない」ことを局長代行自身が認定したと述べている。

 

一方で、ICEにスパイウェア使用に関する情報提供を求めた議員らのうちの1人であるSummer Lee議員は、「我々が提起した深刻な憲法上の懸念や公民権に関する懸念に答える代わりに、国土安全保障省(DHS)は曖昧な保証や、恐怖を煽るような正当化を国民に受け入れるよう求めている」と指摘。「移民、黒人やヒスパニック系のコミュニティ、ジャーナリスト、活動家、そして政府の権力乱用に対して声を上げる人々など、最もリスクにさらされている人々は、長年にわたり権限の乱用や虐待を繰り返してきた機関による秘密主義や責任転嫁以上の対応を受けるに値する」と述べて書簡の内容を非難した。

 

ICEは2024年、米イスラエル系のスパイウェアメーカーであるParagon Solutionsと契約を締結。しかし直後にバイデン政権は、「海外にいる米国人を標的としたり人権を侵害したりする可能性のあるスパイウェアの米政府機関による使用」を制限する大統領令に準拠しているかどうかを確認するためとして、この契約を停止した。その後契約停止の措置は2025年9月に解除されて契約が再開されたものの、今回の書簡が明るみに出るまでは、ICEが実際にParagon製スパイウェアを使用する計画があったかどうかは判明していなかった。

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