新たなサプライチェーン攻撃Megalodon、5,500件超のGitHubリポジトリを汚染 | Codebook|Security News
Codebook|Security News > Articles > Threat Report > デイリーサイバーアラート > 新たなサプライチェーン攻撃Megalodon、5,500件超のGitHubリポジトリを汚染

デイリーサイバーアラート

Silobreaker-CyberAlert

サプライチェーン

新たなサプライチェーン攻撃Megalodon、5,500件超のGitHubリポジトリを汚染

佐々山 Tacos

佐々山 Tacos

2026.05.25

新たなサプライチェーン攻撃Megalodon、5,500件超のGitHubリポジトリを汚染

The Register – Fri 22 May 2026

自動化された新たなサプライチェーン攻撃キャンペーン「Megalodon」について、Safe DepOx Securityの研究者らが報告。このキャンペーンでは、6時間の間にGitHubリポジトリ5,561件に対して5,781件の悪意あるコミットがプッシュされていたという。

 

これらのリポジトリはCI/CD認証情報を盗み取るマルウェアに感染していたと、SafeDepの研究者は報告。またOx Securityのリード研究者Bustan氏は、リポジトリの所有者が悪意あるコミットをマージすると、所有者のCI/CDパイプライン内部でマルウェアが実行され、さらに伝播していくと説明している。

 

Megalodonマルウェアは、AWSの秘密鍵やGoogle Cloudのアクセストークンを盗むほか、AWS・Google Cloudプラットフォーム・Azureのメタデータに対するクエリを実行し、インスタンスのロール認証情報を取得。また、SSH秘密鍵、Docker・Kubernetesの構成設定、Vaultトークンなどを読み取るほか、クラウドプロバイダーでの認証時に使われる情報を含むGitHubトークンをBitbucketトークンを抽出することから、攻撃者は感染した開発者のクラウドアイデンティティになりすますことができるようになる。

 

SafeDepは当初、オープンソースのライブチャット・チャットボットプラットフォームである「Tiledesk」の正規パッケージ(@tiledesk/tiledesk-server@2.18.12)において、Megalodonのペイロードを発見したという。このペイロードはGitHub Actionsワークフローファイル内にバンドルされており、最後のクリーン版はバージョン2.18.5。5月19日に公開された2.18.6から21日公開の2.18.12までのバージョンでは、オリジナルのワークフローが攻撃者のワークフロー「Optimize-Build」に置き換えられており、バックドアを配布するようになっていたとされる。

 

クリーン版(2.18.5)もバックドア版(2.18.6〜2.18.12)も同一のnpmアカウント(eljohnny)により公開されていたが、攻撃者はこのnpmアカウントに「一切触れなかった」とSafeDepは説明。GitHubリポジトリが侵害され、メンテナがこの汚染されたソースから知らぬ間に悪意あるバージョンを公開してしまったのだという。

 

SafeDepは、このGitHubリポジトリに対する悪意あるコミット(acac5a9)を追跡。作者build-bot(build-system@noreply.dev)によるその他のコミットを検索したところ、これがより広範な攻撃キャンペーンであることを発見。build-botを含む4つのコミット作者名(build-bot、auto-ci、ci-bot、pipeline-bot)とルーティンCIメンテナンスを装った7件のコミットメッセージが使いまわされていたことや、攻撃者がランダムなユーザー名(rkb8el9r、bhlru9nrなど)の使い捨てGitHubアカウントを使用し、侵害されたPATまたはデプロイキーを通じてコミットをプッシュしていたことを突き止めた。

 

その後Hudson Rockが報告したところによると、Megalodonキャンペーンはインフォスティーラーへの感染に端を発するものだという。スティーラーにより窃取されたGitHub認証情報によって、攻撃者は悪意あるペイロードをプッシュすることができたとされる。具体的には、影響を受けたリポジトリと紐づくユーザー名の33%が、スティーラーに感染したコンピューターと直接的に一致。加えて、ユーザー名の一致がない場合でも、GitHubアカウントに紐づけられたメールアドレスからスティーラー感染が明らかになっているケースもあったという。

 

なお、悪意あるnpmパッケージの公開は脅威アクターTeamPCPを彷彿とさせるが、Ox SecurityのBustan氏によれば、MegalodonキャンペーンをTeamPCPと結びつけるような証拠は見つかっていないとされる。また、Megalodonが発覚する直前に、TeamPCPがShai-Huludサプライチェーンワームを「オープンソース化」し、「サプライチェーン攻撃コンペティション」の開催を発表していたが、Megalodonの攻撃者がこのコンテストに参加していた様子もないという。

関連資料をダウンロード

Codebook 2025 ~サイバーセキュリティ分析レポート~

Codebook 2025 ~サイバーセキュリティ分析レポート~

いつもCodebookをご覧いただきありがとうございます。 Codebookでは2023年より、平日ほぼ毎日、サイバーセキュリティ/インテリジェンス関連の英文ニュースを厳選し、日本語で簡潔に要約...

デジタル時代における世界の紛争

デジタル時代における世界の紛争

地政学的紛争とサイバー作戦の境界は曖昧さを増し、国家や非国家主体によるサイバー攻撃が日常的に行われる中、戦争や外交の在り方が複雑化しています。 特にハクティビズムや偽情報キャンペーンは、ロシア・ウク...

【最新版】要件主導型インテリジェンスプログラムの構築方法|Silobreaker Report

【最新版】要件主導型インテリジェンスプログラムの構築方法|Silobreaker Report

本レポートは、サイバー脅威や地政学的リスクが高度化・複雑化する現代において、組織が適切な意思決定を行うために不可欠な「脅威インテリジェンス」の実践方法を解説するハンドブックです。特に、インテリジェンス...

OSINTから読み解く国家支援サイバー脅威の攻撃トレンド

OSINTから読み解く国家支援サイバー脅威の攻撃トレンド

国家の支援を受けたサイバー脅威が進化を続けています。昨年の国内暗号資産取引所からのビットコイン流出に、北朝鮮アクターの巧妙なソーシャルエンジニアリングが利用されていたことは、記憶に新しいかと思います。...

Special Feature特集記事

Cyber Intelligenceサイバーインテリジェンス

Security情報セキュリティ