root権限取得を許すシスコ製品の深刻な脆弱性、未知の攻撃者がゼロデイ攻撃に悪用(CVE-2026-76519)
The Register – Wed 14 Oct 2026
シスコは顧客に対し、Secure Email Gateway(SEG)に存在する脆弱性にパッチを適用するよう「強く」求めている。同社の広報担当がThe Registerに語ったところによると、CVSSスコア9.8と極めて深刻なこの脆弱性は「限られた数の顧客」に影響を及ぼしているという。
この欠陥はSEGの「Advanced Malware Protection(AMP)」機能に存在し、Eメールの添付ファイル処理が不適切なことに起因する。CVE-2026-76519として追跡されており、悪用すると未認証のリモート攻撃者が有害なEメールを送信するだけで、侵害されたアプライアンス上でroot権限を用いたファイルの書き込みやコマンドの実行が可能になるそうだ。
シスコの広報担当は「この脆弱性が実際に悪用されていることは把握している」と述べたものの、侵害を受けたアプライアンスの数や、このアクセス権を利用して何が行われているのかといった質問には回答を避けたとのこと。現時点で回避策はなく、修正済みAsyncOSリリース(15.5.5-014、16.5.0-780)へのアップグレードによる対応が求められるほか、16.5より前のリリースを使用している顧客には、v16.5.0-780へ移行することが推奨されている。
14日にシスコと米政府がそれぞれ公開したセキュリティアドバイザリには、修正パッチのリリース前からCVE-2026-76519が攻撃に悪用されていたと記されている。また、米サイバーセキュリティ・インフラストラクチャ・セキュリティ庁(CISA)はこの脆弱性をKEV(悪用が確認済みの脆弱性)カタログに追加し、17日まで修正するよう連邦政府各機関に指示した。
SEGにおいては9月中旬にも別のゼロデイ脆弱性(CVE-2026-76461)が確認されており、これも同じく有害なEメールをきっかけにroot権限の取得を許すものだった。
FBIが「ラップトップファーム」40か所以上を一斉摘発 北朝鮮のITワーカー詐欺に関与した疑いで
Help Net Security – October 14, 2026
米司法省(DOJ)によると、北朝鮮のITワーカーが盗用または偽造した身分情報を使い、米国内の協力者にサポートを受けながら、70社を超える米企業でリモート雇用されていたことが明らかになった。
ペンシルベニア州とテキサス州では、通信詐欺、資金洗浄、身分詐称の容疑で2人の男が身柄を拘束された。検察当局の主張によると、両容疑者は2019年から2025年7月頃にかけて、被害企業から支給されたデバイスを受け取り、リモートアクセス用ソフトウェアをインストールした上で稼働させ、最終的に受け取った報酬約300万ドルを北朝鮮が管理する口座へ送金していたとされる。合わせて17の州およびコロンビア特別区(ワシントンD.C.)で被害が発生しており、企業の部門別では医療、通信、小売、製造など多岐にわたるそうだ。また、同じ起訴状には中国を拠点とする被告10人も名を連ねており、さらに2名の身元は非公開となっている。
一方、テキサス州では「ラップトップファーム」の疑いがある40か所以上の拠点が捜索され、180台以上のノートPCおよびKVM(キーボード・ビデオ・マウス)スイッチがFBIに押収されたという。テキサス北部地区連邦検事のRyan Raybould氏は「我々がラップトップファームを摘発するたびに、北朝鮮政府が世界の安定を脅かす兵器開発計画の資金源として頼りにしている収益ルートの1つを断つことができる」とコメントした。
同じく13日に発表されたFBIの注意喚起によると、これらの労働者が雇用主に提示する氏名や住所のほとんどは他人のものだそう。中には機微性の高い個人情報にアクセスできる職に就き、その情報を持ち出して自身の不正な計画に利用した者もいたようだ。極めて稀なケースとはいえ、その情報の持ち主を脅迫しようとした事例も確認されている。
これらの不法活動で得た収益は、推定85〜90%が北朝鮮政府に渡っている模様。セキュリティ専門メディアHelp Net Securityの最近の報道によると、北朝鮮が狙うのはIT分野にとどまらず、営業やマーケティング、ヘルスケアといった部門にも触手を伸ばしていることが調査で明らかになっている。















