仏大手スーパーへのサイバー攻撃、冷蔵設備に存在する脆弱性は数か月前から警告されていたことが明らかに
The Register – Thu 15 Oct 2026
フランスで11日深夜にサイバー攻撃が発生し、複数の大手スーパーマーケットチェーンの業務が大混乱に陥ったニュースは記憶に新しいが、冷蔵設備の制御装置に悪用可能な脆弱性が存在することについて、その数か月(一部は1年以上)前から複数のセキュリティ研究者が警告していたと報じられている。
この攻撃では何者かが数千台もの冷蔵制御装置をハッキングし、庫内の温度を50°Cまで上昇させた結果、約700店舗のスーパーマーケットで食品が腐敗したり、火災が発生したりする事態に発展した。仏サイバーセキュリティ機関のANSSIは12日、Danfoss製の冷蔵制御装置が広範にわたって侵害されていると発表。翌13日には、Copelandおよび同社のブランド「Dixell」のシステムも影響を受けていることが判明した。
侵害された機器はインターネット経由でアクセス可能な状態にあり、その多くはすでにソフトウェアやセキュリティのアップデートが提供されておらず、古いファームウェアが稼働していたとされている。The Registerの記事によると、これらの欠陥を抱える機器について、OT(運用技術)セキュリティ企業Clarotyの研究チーム「Team82」は8月の時点で警告しており、ハッカーが「コントローラーをフリーズ」させ、「食品を台無しに」できると指摘していたようだ。
米サイバーセキュリティ・インフラストラクチャ・セキュリティ庁(CISA)も、2025年5月(同年8月更新)にDanfoss製「AK-SM 8xxA」シリーズの機器について警告。今年2月にはCopelandの「XWEB」および「XWEB Pro」に約24件の脆弱性が存在し、攻撃者に認証回避やサービス拒否(DoS)攻撃、メモリ破損、任意のコード実行を許す恐れがあると指摘していた。
一部のセキュリティ専門家らは、Team82の調査結果公開およびDanfoss社のパッチリリースから2か月後にインシデントが発生するというタイムラインの特異性に注目。また米国のOTセキュリティ関連団体OTCCは、今回のフランスでのサイバー攻撃によって、OTのサイバーセキュリティを強化するためには、速やかなパッチ適用など「基本的なサイバーセキュリティ対策の実施が重要であること」が改めて浮き彫りになったと指摘している。
ハッカーがD-LinkやUbiquitiの機器を乗っ取り、盗んだ帯域幅を再販(CVE-2024-3272、CVE-2024-3273他)
BleepingComputer – October 15, 2026
「プロキシジャッキング」と呼ばれる攻撃キャンペーンが34か国の機器に影響を及ぼしているようだ。攻撃者は商用の住宅用プロキシネットワークを介し、被害者のインターネット接続を収益化しているという。
帯域幅共有アプリ「Pawns.app」は本来、ユーザーが自身のインターネット接続をほかのユーザーと共有することで報酬を得られる正規サービスだが、攻撃者はデバイス所有者の同意なく同アプリをインストールさせ、その数が多ければより多くの報酬を得ているものと思われる。脅威インテリジェンス企業のGreyNoiseは、ある組織における不審な活動を調査する過程でこのキャンペーンを発見し、世界中で少なくとも143台の機器が侵害されていることを特定した。
その調査によると、攻撃者は複数の脆弱性を悪用してエッジデバイスに侵入している模様。具体的には以下の脆弱性が挙げられている。
- D-Link ShareCenter NAS:CVE-2024-3272、CVE-2024-3273
- Ubiquiti UniFi Video NVR:CVE-2021-44228
- SAP NetWeaver Visual Composer:CVE-2025-31324
また、HikvisionやDahuaのDVR/NVR機器も標的となっていたが、こちらで悪用された脆弱性は特定されていないとのこと。攻撃者はバックアップのアクセス手段として、SSHキー認証を設定しているケースもあったとGreyNoiseは報告している。
FBIは以前、こうしたネットワークが悪用され、オンラインプラットフォームに対する大規模なクレデンシャルスタッフィング攻撃が実行されていると警告していた。













