4月16日:サイバーセキュリティ関連ニュース
4chanがダウン、大規模ハッキングに見舞われたか
匿名の画像掲示板として悪名高いインターネットフォーラム4chanが15日早朝からアクセスできなくなっており、障害監視サイトのDowndetector.comに苦情が殺到しているようだ。
この障害は「包括的なハッキング」に関連している可能性があるとみられ、Cybernewsの研究者チームが調査を行ったところ、身元不明の人物が4chanのモデレーターのものとされるログイン情報や全スタッフのメーリングリストを共有していることが確認されたという。ただし、これらのデータが本物かどうかや、この障害の詳細については現時点でもわかっていないとされている。
また、4chanの管理者ビューの画像やソースコードの漏洩、非公開モデレーターボードの投稿が共有されたとの報告に加え、攻撃者がサーバーのシェルアクセスを入手していた可能性が高いとの指摘もある。このレベルのアクセスを悪用されると管理ツールやユーザーデータ、その他の機微情報が攻撃リスクにさらされる上、サイト機能の改変や有害なコードの挿入、重要なデータの削除が可能になるため、ハッキングが事実なら4chanの運用に重大な影響が及ぶリスクは否定できない。
Cybernewsの情報セキュリティ研究者Neringa Macijauskaitė氏も「リークされた情報が本物と確認されれば、プラットフォーム間でのドキシングやパスワード再利用攻撃に使われかねない」と警告。「(過激なコンテンツを投稿できる)4chanの文化を考えると、個人情報の流出は標的を絞ったトローリング(荒らし)や嫌がらせ、あるいは組織的な悪用キャンペーンにつながる恐れがある」と付け加えた。
EU、訪米職員に「使い捨て携帯電話とノートパソコン」を支給
The Register – Tue 15 Apr 2025
『フィナンシャル・タイムズ(FT)』紙によると、欧州委員会は米国を訪問する職員がスパイ活動の標的にされることを防ぐため、使い捨てのノートパソコンと携帯電話を業務用に支給しているという。
欧州連合(EU)は電子機器を積極的に監視しているとされる中国やロシアなどの国々だけでなく、米国を訪れる際にもクリーンでロックダウンされたハードウェアの使用を一般的な慣行とするようだ。4人の情報筋が『FT』紙に語ったところによると、欧州委員会は訪米者を狙ったサイバースパイ活動に対して厳重な対策を講じるようガイダンスを変更したとされる。
一方、The Registerの聞き取りに応じた欧州委員会の広報担当は、こうした機器が配布されていること自体を否定せず、勧告に修正が加えられたことも認めているが、使い捨てのノートパソコンや携帯電話の使用に関する正式なガイダンスは出していないと主張している。
トランプ政権が自国最優先の外交政策に力を入れるあまり、米国とヨーロッパの関係はここ数か月で著しく冷え込んでいる。シンクタンクBrussels Institute for Geopolitics所長のLuuk van Middelaar氏は『FT』紙に対し、「ワシントンは北京やモスクワではないが、自国の利益と権力を拡大するために超法規的な手段を用いる傾向がある敵対国だ」とコメント。「民主党政権も同じ戦術を使う。これは欧州委員会が現実を受け入れた結果だ」と話した。
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目次
第1章:脅威ランドスケープの急速な変化:波乱のランサムウェア情勢と新たに報告された攻撃手法
第2章:世界情勢や地政学がサイバーセキュリティにもたらす影響
第3章:スティーラーの急成長と認証情報の漏洩が生むリスク
第4章:サプライチェーンリスク
第5章:2024 年に組織を脅かした脆弱性