新たなMiraiの亜種、生産終了のD-Linkルーターを標的に(CVE-2025-29635)
Help Net Security – April 22, 2026
D-Link製ルーターの脆弱性CVE-2025-29635を介して拡散する新たなMirai系ボットネットマルウェア「tuxnokill」について、Akamaiが報告。このマルウェアには、「AI.NEEDS.TO.DIE(AIは死すべき)」という珍しいメッセージがハードコードされており、バイブコーティングではなく旧来の手法でコーディングされたものとみられるという。
Akamaiは、同社のグローバルなハニーポット・ネットワークへのアクセス状況を分析した結果、tuxnokillがCVE-2025-29635を利用して拡散していることを発見。この脆弱性は2025年3月に公開されたD-Link DIR-823Xルーター(ファームウェアバージョン240126および24082)に存在するコマンドインジェクションの脆弱性で、これまで1年間の間、攻撃での悪用は報告されていなかった。なお、デバイスは昨年生産終了となっており、メーカーからのソフトウェア更新は提供されていない。
CVE-2025-29635のPoCエクスプロイトは過去に研究者によってGitHubに共有されていたが、現在までに削除されている。tuxnokillの拡散に用いられたエクスプロイトとGitHub上のエクスプロイトには主要な相違点があったものの、いずれも同一の脆弱なコードパスを標的としており、同一のシステムコールをトリガーしていたとAkamaiは説明している。
Akamaiはこのほか、攻撃者が脆弱性CVE-2023-1389を通じてTP-Link Archer AX21デバイスを調査する様子や、出回っているエクスプロイトを利用してZTE ZXV10 H108Lルーターを偵察する様子も観測している。
Akamaiによる報告の数日前には別のMirai系ボットネットマルウェア「Nexcorium」がTBK Visionのデジタルビデオレコーダー(DVN)を標的にしていることが報告されるなど、IoT機器におけるセキュリティが引き続き課題となっている。Fortinetによって発見されたこのボットネットキャンペーンは「Nexus Team」と名乗るグループによるもので、脆弱性CVE-2024-3721を通じてTBK DVNへの感染を広げるとされる。
tuxnokillとNexcorium、いずれのキャンペーンにおいても、「安価でサポートの切れたパッチ未適用のIoTハードウェアを既知の脆弱性経由で攻撃する」というよく知られた、けれど効果的な手口が用いられている。こうして感染したデバイスはボットネットに組み込まれ、その後DDoS攻撃の実行時などに悪用されることになる。
サポートの終了した機器がいまだに使用されていること、パッチ適用サイクルが非常に遅いこと、また認証情報がデフォルトのもののまま更新されていないことにより、ボットネット運用者にとって世界中の家庭・企業ネットワークへ不正に侵入しやすい状況が生まれているという。
Akamaiは組織や企業に対し、自組織のインフラに関連する脆弱性の開示状況を常時モニタリングすること、適切にパッチ適用やアップグレード・セーフガードの適用を行うことを推奨している。
関連資料をダウンロード

Codebook 2025 ~サイバーセキュリティ分析レポート~
いつもCodebookをご覧いただきありがとうございます。 Codebookでは2023年より、平日ほぼ毎日、サイバーセキュリティ/インテリジェンス関連の英文ニュースを厳選し、日本語で簡潔に要約...

デジタル時代における世界の紛争
地政学的紛争とサイバー作戦の境界は曖昧さを増し、国家や非国家主体によるサイバー攻撃が日常的に行われる中、戦争や外交の在り方が複雑化しています。 特にハクティビズムや偽情報キャンペーンは、ロシア・ウク...
-300x200.png)
【最新版】要件主導型インテリジェンスプログラムの構築方法|Silobreaker Report
本レポートは、サイバー脅威や地政学的リスクが高度化・複雑化する現代において、組織が適切な意思決定を行うために不可欠な「脅威インテリジェンス」の実践方法を解説するハンドブックです。特に、インテリジェンス...

OSINTから読み解く国家支援サイバー脅威の攻撃トレンド
国家の支援を受けたサイバー脅威が進化を続けています。昨年の国内暗号資産取引所からのビットコイン流出に、北朝鮮アクターの巧妙なソーシャルエンジニアリングが利用されていたことは、記憶に新しいかと思います。...

ディープ&ダークウェブにおけるSNSアカウント売買とディープフェイク
ネット上の匿名性を悪用した不正や犯罪が、日本においても大きな脅威となっています。2024 年の能登半島地震の際には、実在しない住所への救助要請など、人命に影響を及ぼしかねない偽情報に海外からの「インプ...












