中国語話者アクターがエクスプロイトキット「DarkSword」のリーク版を利用
The Hacker News – Aug 03, 2026
中国語を話す脅威アクターが、エクスプロイトキット「DarkSword」を使ってApple iOSデバイスを標的にしているのをCensysが観測。詳細不明のこのアクターは、2026年3月後半にGitHub上にリークされたバージョンのDarkSwordを使用していたという。
DarkSwordは、複数のゼロデイ脆弱性を利用してデバイスを侵害するiOSエクスプロイトツール。遅くとも2025年11月以降、商用サーベイランス(監視)ベンダーや国家支援型アクターらによって、サウジアラビアやトルコ、マレーシア、ウクライナの標的を狙うために使われてきたとみられており、2026年3月中旬にGoogle(GTIG)・Lookout・iVerifyの報告によってその存在が公になった。そしてその直後に新たなバージョンのDarkSwordを何者かがGitHub上に公開したことで、誰もが簡単にこのツールを利用できる危険な状態が生まれていた。
アタックサーフェス管理プラットフォームのCensysによれば、現在DarkSwordを使用するオペレーターは少なくとも7人、あるいは場合によっては8人いる可能性があり、そのうち最も最近特定されたのが、この中国語を話すアクター。同アクターは、100をはるかに超えるWebプロパティを運用しており、その大半は、DarkSwordもホストされているドメイン上に設置された偽のAWSログインページをフロントエンドにしているという。これらのホスティングは香港に集中しているものの、日本や米国、ヨーロッパにも到達しているとCensysは述べている。
Censysは、「DarkSword Admin」と呼ばれるパネルのログインページを発見しており、このWebページ本文のハッシュ値が、2026年7月30日時点で以下7つのホストのものと一致していたことを発見している。
- 38.22.89[.]117:8888(香港)
- 103.97.128[.]67:8888(香港)
- 162.4.136[.]30:8888(香港)
- 223.26.63[.]56:8888(香港)
- 151.243.126[.]191:8888(香港)
- 107.175.49[.]181:3000(米国)
- 103.238.129[.]112:3000(日本)
このうち、Censysが共有した38.22.89[.]117:8888上のログインパネルのスクリーンショットには、「DarkSword Admin」というタイトルの下に、中国語で「用户名(ユーザー名)」、「密码 (パスワード)」、「登录(ログイン)」と記されている。Censysはまた、このIPでは、「关键词雷达运营后台」と呼ばれるバックエンドと、日本のドラマに関するおとりページも観測されていたことも伝えた。
Censysの調査では、上記7つに加え、シンガポールの現在非アクティブなホスト(38.181.52[.]95)と、香港の別のホスト(103.106.190[.]217)の存在も浮かび上がっている。前者は、3つの異なるエクスプロイトパネル用フロントエンドのほか、別のiOSエクスプロイトキットである「Coruna」の管理パネルを公開しており、後者は同一のIPアドレスおよびポート上で、Apple ID認証情報収集用のデコイとエクスプロイトチェーンのステージングを同時にホストしていたとされる。
攻撃の流れは一貫しており、被害者が攻撃者のドメイン(AWSコンソールのなりすましサブドメインまたはApple IDのサインインページ)にアクセスした時点で開始。その後、悪意あるiframe要素によってJavaScriptが読み込まれ、DarkSwordチェーンが起動されて、最終的にGHOSTBLADEモジュールが展開されるという。
エクスプロイトが成功すると、このインプラントはキーチェーン・iCloud・Wi-Fiの認証情報をダンプするモジュールを展開し、ファイルの外部流出スキャンを開始。収集されたデータはパッケージ化され、攻撃者が制御するエンドポイントへ送信される。その後、攻撃者は「DarkSword Admin」、「Decode Dashboard」、または「C2 Control Panel」のいずれかの管理パネルにログインし、盗み出したデータを抽出するという。
「C2 Control Panel」は前述の103.106.190[.]217と、Decode Dashboardは以下3件のIPアドレスと関連付けられている。
- 103.226.155[.]200 (Decode Dashboard)
- 103.226.155[.]201 (Decode Dashboard)
- 202.8.120[.]249 (Decode Dashboard)
また、Censysはドイツ・フランクフルトのIPアドレス(93.152.221[.]37)にも言及。これは今回の攻撃キャンペーンのオペレーターが作業用に使用していたサーバーである可能性が高く、ここからSSH鍵コンポーネント「jkcing@apt」やWebコンテンツファザーのほか、「Thorn C2」と名付けられた別のログインパネルなどのツールの存在が明らかになったとされる。Thorn C2はこれまで文書化されたことのないマルウェアファミリーだろうと考えられている。
Censysのブログ記事では、さらに詳しい解説やIoCが確認できる。
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