ランサムウェア攻撃数が7月に増加 世間がAIに気を取られる中
The Register – Fri 07 Aug 2026
2026年7月のランサムウェア攻撃数は、前月比で20%増加して799件に達したという。英国企業Comparitechが報告した。
799件という件数は、ランサムウェアグループが攻撃を主張した件数を合計したもの。このうち被害組織自身も被害を認めているものは51件あったとされる。これは、805件を記録した3月に次いで今年2番目に多い数だという。
標的別に見ると、公共事業者に対する攻撃が前月比で44%減少。法律・政府部門の組織に対する攻撃も、それぞれ31%、11%減少したとされる。一方で金融・テクノロジー・製薬・医療費請求・教育部門への攻撃はそれぞれ71%、62%、46%、44%増加している。
国別では、攻撃を受けた件数が最も多かったのは322件を記録した米国。これに、40件のドイツが続く。
攻撃者別ではQilinが最多で、7月に125件のランサムウェア被害者を掲載。これに、135件の被害者を掲載したThe Gentlemenグループが続いている。両グループの件数を合わせると、全体の33%近くになるとのこと。
ランサムウェア攻撃者はCEOでなく40代半ばのITマネージャーを直接狙う傾向
The Register – Sun 09 Aug 2026
ランサムウェア攻撃では、CEOなどの経営幹部よりも中堅のITマネージャーの方が標的になりやすいという。Zscalerが報告した。
Zscalerの調査チームThreatLabzは、1か月間という期間内に単一のランサムウェアキャンペーンで侵害された334組織・351人の被害従業員を追跡。すると、その3分の2がマネージャーレベル以上の職位に就いており、平均年齢は46歳だったという。業界別では産業・ITが半数を占め、職種別では、4分の3が経理・財務、営業、運用、人事、またはマーケティング職に就いていたとされる。
近年のランサムウェア攻撃者は、同じ脅迫メールを組織全体に大量送信するのではなく、まずは侵害したシステムから得られた情報と、SNSやWebサイトなどで一般公開されているデータを組み合わせて組織内の連絡・報告経路を特定し、戦略上有用な従業員を見つけ出そうとしているものとみられる。
Zscalerによれば、ランサムウェア攻撃は無差別な攻撃から標的を絞り込んだ恐喝キャンペーンへとシフトしつつあるとコメント。「攻撃者は、経営幹部を直接標的にするのではなく、支払いの決定を迅速に進める権限や影響力を持つマネージャー職やその他の重要人物に狙いを定めるケースが多くなっている」と述べた。
このシフトは、Zscalerが「技術的な特権」ならぬ「ビジネス上の特権」と呼ぶものを反映している。セキュリティチームは従来、管理者権限を持つ特権ユーザーに焦点を当ててきた。一方で攻撃者は、日常業務を通じて請求書、支払承認、予算、サプライヤー契約、顧客アカウント、人事記録、その他の機微な業務プロセスへのアクセス権を持つ従業員を標的にするようになっているという。
また、従業員の平均年齢が46歳だったことについて、年齢自体が鍵というより、多くの40〜50代の世代(ジェネレーションX)がマネージャー職に就いているという事実が攻撃者にとって重要だとされる。こうした従業員を侵害すれば、攻撃者は高価値なシステムや機微な情報にアクセスできる上、意思決定権限を持つ人々とも繋がることが可能になる。
Zscalerのレポートはまた、ランサムウェアのエコシステムが単なる暗号化だけでなく、恐喝にますます重点を置くようになっていることを示唆。Zscalerによると、同社のクラウドプラットフォーム上でブロックされたランサムウェアの攻撃試行は過去1年間で146%増加した一方、公表された恐喝インシデントの件数は70%増加し、被害者から盗まれたデータの量は92%増加したとされる。
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