中国系アクターがTencent製ソフトの重大な欠陥を悪用し、バックドア「GrayRabbit」を展開(CVE-2026-51990)
SecurityWeek – September 14, 2026
サイバーセキュリティ研究チームGen Threat Labsの報告によると、中国系脅威アクターUNC3569がTencentのWindows向け中国語入力システム「Sogou Input Method(捜狗輸入法)」に存在する重大な脆弱性を悪用し、細工されたリンクを通じてバックドア「GrayRabbit」を展開したという。
この欠陥はCVE-2026-51990として追跡されており、検証不十分なコマンドライン引数インジェクション、制限のないURLナビゲーション、サンドボックス化されていない古いChromiumブラウザエンジンという3つのセキュリティ上の弱点を連鎖させることでワンクリックでの悪用を可能にしていた。さらに深刻な問題として、Sogou Input Methodに組み込まれているブラウザは2020年3月リリースのChromium 80をベースにしており、約6年分のセキュリティパッチが適用されていないとのこと。しかもサンドボックス機能が完全に無効化され、同一生成元ポリシー(SOP)などの追加保護機能も削除されており、URL経由でローカルファイルを読み取ることが可能な状態にあったようだ。
中国の民間請負企業i-SOONとの関連が指摘されるUNC3569は、人気ソフトウェアの脆弱性を悪用して世界中の政府・教育・テクノロジー・金融機関を攻撃することで知られている。遅くとも2021年以降、同グループの侵入活動で継続的に確認されているGrayRabbitは、攻撃者にリバースシェルを提供するほか、プロセスの実行、プラグインの読み込み、対話型シェルへのデータ書き込み、コマンド&コントロール(C2)サーバーへのファイルアップロード、システム情報の収集、自身のプロセス終了といった機能を備えている。
CVE-2026-51990は4月9日にGen Threat LabsからTencentへ報告されており、自動更新機能を介して全ユーザーに配信されたSogou Input Methodバージョン16.3.0.3498で修正されている模様。ただし基盤となるChromiumの設定は変更されておらず、9月10日現在でもその設定およびバージョンは更新されていないそうだ。
中国、AI開発抑制を求めたアンソロピックCEOの主張に反発
SecurityWeek – September 14, 2026
中国外務省は14日、米国が中国のAI能力を抑制するよう求めたアンソロピックCEOダリオ・アモデイ氏の発言に反発した。
アモデイCEOは12日に長文のエッセイを発表し、世界的にAI開発のペースを落とすべきだと主張。さらに「AI分野で中国が主導権を握れば、米国と世界にとって重大な脅威をもたらすだろう」と警告し、米国のAIにおける優位性を維持するため、最先端のAIチップやチップ製造装置の中国への販売規制を継続するよう求めた。
同CEOはまた、研究者らが開発ペースの減速に同意しなければ、AIエージェントの大群が半年〜1年以内にインターネットを掌握する可能性があると予測。「世界的にペースを調整するには、圧倒的に高度なAI能力を持つ専制国家・中国との協力が必要になるだろう」と指摘した。
一方、中国外務省は14日の定例記者会見でこのエッセイに関する質問を受けると、すべての当事者がAI分野で協力すべきだと回答。「恐怖を煽ることや対立、そして悪質な競争は、世界のAIガバナンスのプロセスを混乱させるだけであり、誰の利益にもならない」と付け加えた。国営紙『環球時報』も13日の社説でアモデイCEOの論考を批判し、中国を封じ込める意図を隠した呼びかけだと記したという。
ドナルド・トランプ米大統領は13日、AI開発のペースを落とすために政権が介入すべきとの声に対し、米国はAI分野で中国をリードしていると述べ、こういった懸念を軽視する姿勢を示している。同大統領と中国の習近平国家主席は、24日に予定されている会談でAIガバナンスなどについて協議する見通し。
















