Meta AI、親や家族の数年分の投稿を基に未成年の子どもの詳細なプロフィールを作成
Malwarebytes Labs – September 15, 2026
Meta AIが、過去数年間の投稿を基にある女性ユーザーの未成年の子どもたちの詳細なプロフィールを作り出したことが物議を醸している。FacebookやInstagramなどのソーシャルメディアへ子どもの顔が映った写真や動画を投稿することによるプライバシー上のリスクや、Meta AIの行動への憤りについて、当該女性ユーザーKalie Robins氏が発信した。
Robins氏は、娘とともに車内で歌を歌っている様子を映した動画を9月上旬にFacebookへ投稿。すると、Meta AIシステムが「助手席の子どもは誰?」という質問を提案してきたという。
Robins氏は未成年の子どもに関するこのような質問が表示されたことに驚き、好奇心からこの質問をクリック。すると、そこから自動化されたストーカーのようなAIの挙動が次々繰り返されることになった。
Meta AIは、名前や誕生日、本人が映っている動画など、Robins氏の子どもたちに関する個別の情報をかき集め始めたという。AIは、Robins氏の母親が数年前にFacebookへ投稿した新生児期の娘の画像や、かなり昔に削除されたRobins氏投稿の画像なども表示したとされる。
さらには、「Kalie Robinsが住んでいる場所は?」という質問までMeta AIは提示。怒りを覚えながらもRobins氏がこの質問をクリックすると、AIは数年分にわたるRobins氏の生活を過去の投稿から探り、昔住んでいた場所のヒントとなる情報が含まれる過去の投稿や、現在の住居とRobins氏を結びつけるような内容の最近の投稿を掘り起こしてきたという。AIはさらに、Robins氏の所在地をピンポイントで特定しようとする試みも見せたとされる。
Robins氏は「私はFacebookに、私の家族のプロフィールを作成するよう頼んだ覚えはない」などと述べ、Facebookが過去の投稿から断片的な個人情報を寄せ集め、それをほかのユーザー向けの詳細なプロフィールとしてまとめ上げていることに衝撃を受けたと語った。
この件について報じたVergeによると、Metaは「その機能(Meta AI)は、その人物(Robins氏)にそのような質問を提示すべきではなかった」と今回の問題を認める声明を出している。同社はこの機能が「意図した通りには機能しなかった」とし、Meta AIが個人的な話題に関する質問を提案してしまう原因となっていた問題を修正したと述べたという。同社広報担当者は、AIが提示したのは、質問を提示されたユーザーがすでにアクセス権を有している投稿から抽出された情報のみであるとも指摘。とはいえ、それだけでは、Robins氏が数年前に削除した写真がなぜ表示されたのかという疑問は説明できていないように思われる。
Malwarebytesは、過去のMeta AIの挙動を踏まえ、同機能が必ずしも常にプライバシーを尊重するわけではないと指摘。Robins氏の場合、日常的に自ら子どもたちの画像や動画を投稿していたとはいえ、数年分の投稿の情報を集められて子どもたちのプロファイリングが行われるなどとは考えていなかっただろうと記した上で、顔など子どもの身元の特定につながる情報が映った動画や画像をソーシャルメディアへ投稿しないことが最善だろうと述べている。
Luciferus:ジェイルブレイク版ChatGPTやClaudeの「代替」として宣伝される新たな無検閲AI
Help Net Security – September 15, 2026
新たな無検閲AIサブスクリプションサービス「Luciferus」が、ハッキングフォーラム上で販売され始めたことを、Sophosが報告。このサービスは、ChatGPTやClaudeといった正規AIサービスのジェイルブレイクの「代替手段」として宣伝されているという。
Luciferusは8月24日、Exploitフォーラムで「Optimus_Prime」と名乗るユーザーによって宣伝された。Optimus_Primeの投稿によると、Luciferusは「モラルや倫理に関する制約に縛られることなく、リクエストに応える」ことが可能なシステムとされる。同ユーザーはLuciferusが「専有モデル」上で稼働するツールだと主張しているものの、Sophosは確度は低いながらもAlibaba製オープンソースLLMファミリーの「Qwen」上で構築されたものだろうと評価しているという。
ベンダーがパッチを適用すると制限が解除されてしまうChatGPTやClaudeの「ジェイルブレイク版」とは異なり、Luciferusのようなツールは最初から安全対策が組み込まれていないため、販売者はより大きな制御権を持ち、製品の寿命も長くなるとされる。
Exploitフォーラムの投稿によると、サブスクリプションオプションはレベル別に3つ用意されており、それぞれ月額35ドル、55ドル、75ドル。これとは別に「Individual Embodiment」というプランも存在し、購入者自身のプロジェクト向けに展開される専用モデル、購入者自身のデータを用いたトレーニング、専用の演算能力、コンテキストウィンドウのサイズや応答温度の制御などが提供され、価格は購入者のニーズに応じて設定されると謳われている。ただし、LuciferusのWebサイトでは異なるサブスクリプション名や価格が表示されている。
Sophosは検証のため、Luciferusの最安版サブスクオプションを使用し、Pythonで書かれた単純なリモートアクセス型トロイの木馬を作成するよう依頼。すると、このマルウェアのネットワーク機能やコマンド実行機能に関するロシア語の説明と、それに続くソースコードが提供されたという。Sophosはこのコードの実行や検証を行ってはいないものの、Luciferusのこの回答は、同サービスがマルウェア関連の直接的なリクエストに応じるとする宣伝文の主張を裏付けるものであると指摘した。
アンダーグラウンドフォーラムやTelegramチャンネル、サイバー犯罪マーケットプレイスを通じてAIサービスが販売されるケースが増える中、Luciferusは主要LLMプロバイダーのジェイルブレイク版ではなく、無検閲のローカルLLMを利用していることから「より安定したオプション」だと思われるとSophosは指摘。Luciferusのようなサービスの登場は、サイバー犯罪エコシステムにおいてAIがますます利用しやすいコンポーネントになっていることを示唆していると述べた上で、サイバー犯罪への参入障壁を下げ、これまで熟練の開発者にしか見られなかった能力を比較的技能の低いアクターも利用できるようになっていると結論付けた。













