PwnEscape:Linux KVMにおけるCritical評価のVMエスケープの脆弱性(CVE-2026-99999)
The Register – Mon 19 Oct 2026
10月冒頭にある研究者によってその存在が開示されたLinux KVMの脆弱性に、CVE-2026-99999というCVE識別子が割り当てられている。「PwnEscape」と名付けられたこの脆弱性は、ゲストからホストへのエスケープを可能にする重大な脆弱性だという。
CVE-2026-99999は不適切な入力確認の脆弱性で、Linuxのネットワーキングスタックに存在する。ローカルの攻撃者や信頼されていないゲスト仮想マシン(VM)は、不正な形式のチェックサムメタデータを含むネットワークパケットをIPv4ネットワークサブシステムに送信することで、この脆弱性を悪用することが可能。この脆弱性の存在によりチェックサムメタデータの検証が行われないためにパケット処理中にメモリが破損し、結果的にホスト上で任意のコードが実行されたり、システムクラッシュによるサービス拒否(DoS)が発生したり、機微なメモリの内容が漏洩したりする恐れがあるとされる。CVE-2026-99999を分析したSOC Primeは、仮想マシンと基盤となるホストとの隔離境界が破られる恐れがあると説明した。
また発見者であるPaulos Yibelo氏は、「信頼できないチェックサムメタデータによって、カーネルがすでに検証し処理を完了したセキュリティ上重要なパケットフィールドが書き換えられ、元のVMエスケープをはるかに超えて、ネットワークスタック全体の前提を揺るがすことになる」と述べ、PwnEscapeにより「Linuxのネットワークにおけるまったく新しい種類の攻撃」が露呈していると記した。
Linux KVMは多くのハイパースケールクラウドに使用されているハイパーバイザーだが、KVM上で自社クラウドを運用するAWSは、同社のEC2へのリスクはないとコメント。Google Cloudもおそらく影響を受けないものとみられる。
Linuxカーネルにおけるアップストリームの修正パッチは開発者らによってすでに作成されており、Debian、RHEL、Ubuntuといった主要なディストリビューションに順次反映されている。またNutanixやProxmoxなど、KVMに依存する仮想化製品にも反映されることが期待される。
2026年にはPwnEscapeを含め、Linuxにおける仮想マシンエスケープやコンテナエスケープの脆弱性が7件発見されている。
- PwnEscape(CVE-2026-99999)
- Januscape(CVE-2026-53359)
- Copy Fail(CVE-2026-31431)
- CVE-2026-80521
- SCTPhantom(CVE-2026-64564)
- Fragnesia(CVE-2026-46300)
- RefluXFS(CVE-2026-64600)















