通信事業者への攻撃でFortinetの脆弱性が複数悪用される 隠密性の高いFortiGate用インプラントも確認(CVE-2024-47575、CVE-2025-61624他)
SecurityWeek – October 19, 2026
国家の支援を受けていると思しき脅威アクターが通信事業者を狙った攻撃において、Fortinet製品の複数の脆弱性を悪用したことが明らかになった。パロアルトネットワークスが報告している。
この攻撃は「UNC5820」(パロアルトネットワークスは「CL-STA-0954」として追跡)によるものとされており、2024年9月に発生したとのこと。イニシャルアクセスに悪用されたのはFortiManagerにおける深刻なリモートコード実行(RCE)の脆弱性(CVE-2024-47575、別名FortiJump)で、このバグは2024年10月にゼロデイ脆弱性として修正パッチが公開されている。セキュリティ企業Mandiantはパッチのリリース直後、UNC5820が遅くとも2024年6月からこの脆弱性を悪用していると警告していた。
パロアルトネットワークスの新たなレポートによると、UNC5820は同じ侵入活動の一環として、Fortinetの複数製品に影響を及ぼすパストラバーサルの脆弱性CVE-2025-61624も悪用していたという。こちらはFortiOS、FortiPAM、FortiProxy、FortiSwitchManagerに影響を及ぼす不具合で、2026年4月に修正パッチが公開済み。認証を受けた攻撃者が任意のファイルの書き込みや削除を行えるようになる恐れがあり、ゼロデイとして悪用されていたことをFortinetがパッチ公開直後に指摘している。
米サイバーセキュリティ・インフラストラクチャ・セキュリティ庁(CISA)は16日、CVE-2025-61624をKEV(悪用が確認済みの脆弱性)カタログに追加し、直ちにパッチを適用するよう連邦政府各機関に指示した。UNC5820はこの脆弱性をゼロデイとして悪用し、「PeerStitch」と呼ばれる未知のFortiGate用インプラントを展開したとみられている。
このARM64アーキテクチャ向けマルウェアはメモリ上で動作し、アプライアンス上で実行されている正規のプロセスが生成するトラフィックに紛れて通信を行うそうだ。UNC5820はCVE-2025-61624を悪用し、基盤となるファイアウォールのオペレーティングシステムに対するroot権限を取得した上で、PeerStitchを展開するスクリプトを配置したと説明されている。
また、UNC5820はCVE-2024-26008も悪用していた可能性があるとされる。同脆弱性の悪用により正規のFortiManagerのセッションを強制終了させる、あるいは盗み出したシークレットを再利用して正規のFortiManagerになりすますことで、管理権限を掌握していたようだ。パロアルトネットワークスは「PeerStitchインプラントの発見は、エッジデバイスを標的とするマルウェアの技術的な成熟度が高まっていることを示している」と指摘した。
Broadcom製Wi-Fiソフトウェアに16年来の脆弱性、第三者がルーターを乗っ取れる状態に
BroadcomのWi-Fiソフトウェアに16年前から存在するセキュリティ上の欠陥により、攻撃者がネットワークパスワードを知らなくても数百万台ものルーターを乗っ取れる可能性があることが判明した。Broadcomは遅くとも2018年の時点でこの問題を把握していたものの、公表することなく部分的な修正のみ行っていたと報じられている。
セキュリティ研究者のQuentin Kaiser氏は、この脆弱性を「WPSplinter」と命名。これにはBroadcom独自のWi-Fi実装における2件のバグが含まれており、遅くとも2010年から存在していることがわかったという。同氏によると、その8年後に修正が試みられたが、完全には解決されていなかったようだ。
このバグはWi-Fi Protected Setup(WPS、パスワードを手動入力することなくデバイスを無線ネットワークに接続できる機能)の処理に関連しており、細工されたWPSメッセージを送信することでルーターのメモリを破損させ、Wi-Fiの通信範囲内にいる第三者がデバイス上で任意のコードを実行できるとのこと。その際、Wi-Fiパスワードは不要とされ、ルーターの所有者が何らかの操作を行う必要もないそうだ。
Kaiser氏は7月18日、Broadcomに最初の報告を行い、同27日にも追加で報告を行った。Broadcomは翌28日、パッチが用意されていると回答し、影響を受けるメーカー各社へ直接連絡するようKaiser氏に助言。しかし翌29日、同社はCVE識別子の割り当てを拒否したほか、顧客ポータルを通じてメーカー各社に送信したとされる通知のコピーの提供も拒んだという。
同氏は自身の調査結果をベルギーの国家サイバーセキュリティ当局にも共有した後、米CERT/CCに本件を報告したが、Broadcom自身がCVE番号割り当て機関(CNA)でありながらも脆弱性の登録を拒否したため、CERT/CCは8月4日付けでこの案件を終了したそう。また、Kaiser氏が悪用のデモ動画を含む記事を公開する前日の10月15日の時点で、同氏が特定した影響を受けるデバイスのうち、パッチが適用されたものは1つもなかったようだ。














