米政府関連のEメールシステム、スペルミスにより悪用リスクに晒される
DarkReading – November 6, 2026
米国の政府機関が設定したDNSレコードのスペルミスや古い設定を悪用することで、攻撃者は政府機関になりすましてメールを送信したり、受信したりできる可能性があるという。SH Consultingの創業者Alex Shakhov氏が、米政府関連ドメインを調査した結果を公表した。
Shakhov氏は、米国の政府機関に関連する25,964件のドメインを分析。このうち43件のドメインで、期限切れ・スペルミス・用途変更などの問題がある外部ドメインをDNSレコードが参照していることが確認されたという。その対象には、州・郡・市などの地方政府や行政機関が含まれていた。こうした設定ミスにより、攻撃者が参照先ドメインを取得した場合、DNSレコードの種類に応じて、メールのなりすまし送信、メールの受信、Webコンテンツの差し替え、セキュリティ関連レポートの収集などが可能になる恐れがあるとされる。
<攻撃者がダングリングドメインを登録した場合の悪用リスク例>
- 問題がMXレコードにある場合:メールの傍受が可能になる
- 問題がCNAMEやNSレコードにある場合:スパムコンテンツの配信が可能になる
- 問題がSPFにある場合:正当な送信元から送信されたように見えるフィッシングメールを送信したり、ドメインベースのDMARCを通じてセキュリティ情報を収集したりすることが可能になる
例えば米ミシガン州リビングストン郡とケンタッキー州パイクビル市では、AmazonのSimple Email Service(SES)の利用を承認しているとみられる。このため、両者のTXTレコードには、SESが信頼できるサードパーティプロバイダーとして指定されている。しかし、両者が記載したドメインは本来の「amazonses[.]com」ではなく、スペルミスによりそれぞれ「amzonses[.]com」と「amasonses[.]com」になっていた。つまり、リビングストン郡とパイクビル市は、Amazonではない主体に両者に代わってEメールを送信する許可を与えてしまっていることになる。
また、アイダホ州ルパート市のWebサイトでは現在、隣町のヘイバーンが以前使用していたドメイン名「heyburnidaho[.]org」が参照されている。このドメインは悪意ある人物によって購入され、その人物はNSレコードを改ざんして自身のギャンブルサイトへ誘導するように仕向けていたという。また、この人物は「@heyburnidaho[.]org」というドメイン名を持つメールアドレスからメールの送受信ができるよう手配もしていたとされる。
こうした事例を踏まえ、Shakhov氏は、DNSレコードの手入力をやめてスペルミスを防ぐこと、外部ドメインへの依存関係を把握すること、定期的にDNS設定を監査することなどを推奨。特に、利用を終了したサービスやドメインがDNSレコードに残っていないか、参照先が現在も正規の事業者によって管理されているかを確認する必要があるとされる。














