AndroidアプリのSDKがユーザーの位置情報を収集し、広告業者と意図せず共有している可能性 調査で明らかに
米非営利団体電子フロンティア財団(EFF)の新たな調査により、アプリに組み込まれたサードパーティのソフトウェア開発キット(SDK)がユーザーの正確な位置情報を収集してしまう可能性があることがわかった。
現在地を知る必要のある天気アプリやランニングのルートを記録するフィットネスアプリなど多くのアプリにおいて、デバイスの正確な位置情報へのアクセスを許可することには合理的な理由がある。しかし、一部のアプリでは「データ共有設定」がデフォルトで有効になっていることを開発者側で認識していないため、ユーザーの位置情報が広告業者やデータブローカーなどのサードパーティと意図せず共有されているケースがあるという。EFFは多くの開発者がデフォルト設定でユーザーの位置情報を第三者と共有していることに気づいていない恐れがあるとし、不要なデータ収集を可能な限り無効にするようアプリ開発者に呼びかけている。
広告用SDKは開発者がアプリを収益化する手段として提供されているが、その代償としてユーザーの位置情報履歴がデータブローカーに渡り、収益化の対象となる。さらに、そのデータは軍や政府、FBIのような情報機関に販売されることもある上、データブローカーがハッキングなどに遭った場合、セキュリティやプライバシー上のリスクになり得る。EFFがユーザーの位置情報を密かに共有していると特定したAndroidアプリの中には、これまでに合計6,000万回以上ダウンロードされたアプリが2つ含まれていたそうだ。
米SCREEN法案でVPNの匿名性が失われる恐れ EFFが警告
米国で提案されている年齢確認法案のSCREEN法(S. 737)により、VPN利用者は合法的なオンラインコンテンツにアクセスする前に、個人を特定可能な情報の開示を求められる可能性があるという。こちらもEFFが警鐘を鳴らしている。
EFFの説明によると、法案S. 737は性的に露骨なコンテンツへのアクセスを許可する前にユーザーの年齢確認を義務付けるもの。ただし同法案は適用範囲が広範なため、オンライン上の匿名性が損なわれるだけでなく、機微性の高い個人データのデータベースが構築されることになるとEFFは指摘している。
また、上院商務委員会で審議中の同法案には、ユーザーに成人であるかどうかを尋ねるだけでは不十分と明記されているとのこと。その代わりに政府発行の身分証明書や顔画像による年齢推定、金融記録、あるいは第三者の認証プロバイダーの利用など、ユーザーの「実在の身元」に紐付いた認証方法の導入をプラットフォーム側に促しているそうだ。
これに対してEFFは、認証を行う企業がデジタル形式の身分証のコピーや関連する個人情報を収集・処理・保持する可能性があることを問題視。さらに一部の州の年齢確認法とは異なり、S. 737では性的に露骨なコンテンツがサービス全体の中で大きな割合を占めることを要件としていないため、対象のコンテンツが1点でもあれば、そのプラットフォームは規制の対象となり得ると指摘した。
とりわけ注意が払われているのはVPN経由のトラフィックだ。規制対象となるサービスは通常、訪問者のIPアドレスに基づいて年齢確認が必要かどうかを判断するが、既知のVPNアドレスからのトラフィックは特に年齢確認が求められることになる。SCREEN法案ではVPNのようなプライバシー保護手段を利用する人々が「リスクの高い訪問者」とみなされ、身元情報の開示を求められる可能性が高いため、匿名性を維持しようと意図的に対策を講じたユーザーほどプライバシーを侵害されかねないとCyberInsiderは記している。
同法案は企業に対し、収集したデータを保護し、必要以上に長く保持しないための「合理的」な措置を講じるよう求めているという。それでもEFFは、どのような情報を収集できて、どのように利用できるのか、あるいはどの程度の期間保存できるのかについて、明確な制限が設けられていない点を危惧している。
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